統計検定 1級 2019年 医薬生物学 問4 Studentのt検定とWilcoxonの順位和検定

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【2023年2月1週】 【A000】生物統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2019年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問4の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕Studentのt検定

Studentのt検定には、

  1. 各群のデータが正規分布から得られたものである
  2. 各群の母分散は、未知ではあるが等しい
  3. 各群のデータが互いに独立に得られたものである
という仮定が必要となる。 帰無仮説 H0:μA=μB のもとでの検定統計量は、 t=x¯Ax¯Bs2(1nA+1nB)s2=(nA1)sA2+(nB1)sB2nA+nB2 データから得られた値を代入すると、 s2=22.132+22.9323+32=2.132+2.93226.56t=4.822.156.56(13+13)1.277 これを自由度 (31)+(31)=4t分布の上側2.5%の値と比べると、 t=1.28<2.776=t0.025(4) したがって、有意水準5%で帰無仮説は棄却されず、「2つの群における母平均は等しくないとはいえない」と結論づける。

〔2〕Wilcoxonの順位和検定の帰無仮説

Wilcoxonの順位和検定を適用する際の帰無仮説は、「2つの群の分布が等しい」となる。すなわち、薬剤 A の測定値の分布関数を F1(x)、薬剤 B の測定値の分布関数を F2(x) とするとき、 H0:F1(x)=F2(x)

〔3〕Wilcoxonの順位和検定の検定統計量

Wilcoxonの順位和検定における検定統計量は、次のように求める。すなわち、nA+nB=n 個のデータをすべて統合して、値が小さい順に並べ替え、値が小さい順に順位を割り振っていく。検定を実施する際は、いずれかの群の順位の和を検定統計量とする。
測定値を順位に変換した表は以下のようになるので、

表1 測定値の順位表
測定値の順位 順位和
薬剤A 3 4 6 13
薬剤B 1 2 5 8

薬剤 A の順位和は、 WA=3+4+6=13 薬剤 B の順位和は、 WB=1+2+5=8

〔4〕順位の組み合わせとその確率

検定統計量の取り得る値は、 6W15 順位のすべての組み合わせは、6つの順位の中から3つを選ぶ場合の数なので、 6C3=654321=20 これが同様の確からしさで出現する。それぞれの値を取るときの順位の組み合わせは次のようになる。

表2 順位の和の取り得る値とその確率
順位和 順位の
組み合わせ
確率
6 {1,2,3} 120
7 {1,2,4} 120
8 {1,2,5},{1,3,4} 220
9 {1,2,6},{1,3,5},{2,3,4} 320
10 {1,3,6},{1,4,5},{2,3,5} 320
11 {1,4,6},{2,3,6},{2,4,5} 320
12 {1,5,6},{2,4,6},{3,4,5} 320
13 {2,5,6},{3,4,6} 220
14 {3,5,6} 120
15 {4,5,6} 120

〔5〕Wilcoxonの順位和検定に対する注意点

例えば、薬剤 B の順位和 W=8 を用いるとすると、有意確率は、これ以上に極端な値を取る確率なので、P(W8) を求めればよい。これを求めると、 P(W8)=P(W=6)+P(W=7)+P(W=8)=120+120+220=15 両側検定の場合はこれを2倍して、 p=25=0.4 このデータに対して、有意水準5%(もしくはそれ以下)でWilcoxonの願位和検定を行う場合は p 値は最低でも p=P(W=6)×2=0.1 となり、検定が有意となることはない。 サンプルサイズが極端に小さい場合には、このような問題が生じる。

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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