本稿では、同等性・非劣性試験に対するサンプルサイズ設計の考え方について解説しています。どちらも信頼区間にもとづく考え方と検定にもとづく考え方の2種類の導出方法がありますが、やや捻った仮定や考え方が必要となるため、ひとつひとつ整理して理解することが肝心です。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。 - 漸近的な性質を用いる際は、①中心極限定理が成り立つ、②漸近分散を推定する際に、母数をその一致推定量で置き換えることができるということが成り立つと仮定しています。
目次[非表示]
非劣性試験におけるサンプルサイズ設計
非劣性試験におけるサンプルサイズの設計方法には、①信頼区間にもとづく考え方と②検定にもとづく考え方がある。以下では、それぞれの考え方について、
非劣性マージンを
帰無仮説の下で、
信頼区間にもとづく考え方
効果量の片側信頼限界が
対立仮説の下で、この関係式が成り立つ確率が検出力となるので、
この方法は、最もストレートで分かりやすい方法である。しかし、
これに対し、
このとき、効果量とその標準偏差もそれに対応し、
検定にもとづく考え方
この考え方では、片側検定
このとき、効果量の推定量の分布は
帰無仮説の下で、
したがって、帰無仮説における検定統計量の棄却域は、
同等性試験におけるサンプルサイズ設計
同等性試験におけるサンプルサイズの設計方法も同様に、①信頼区間にもとづく考え方と②検定にもとづく考え方がある。以下では、それぞれの考え方について、
同等性マージンを
帰無仮説の下で、
信頼区間にもとづく考え方
効果量の信頼区間が同等性マージンに完全に含まれるとき、
この条件式を書き換えると、
検定にもとづく考え方
同等性試験では、次の2つの片側検定を行い、帰無仮説が両方とも棄却されたときに同等性を認める。すなわち、
片側検定①
効果量の推定量の分布と棄却域(片側検定①)
帰無仮説の下で、
効果量の推定量の分布と棄却域(片側検定②)
帰無仮説の下で、
検出力の定義(対立仮説が正しいときに、帰無仮説を棄却する事象が起こる)より、
同等性試験を考える場合、ルールとして、真に同等な場合
効果量の標準誤差がサンプルサイズの関数として表すことができるとき、
参考文献
- 丹後 俊郎, 小西 貞則 編集. 医学統計学の事典 新装版. 朝倉書店, 2018, p.334-337
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.100-103
- Makuch, R. & Simon, R.. Sample size requirements for evaluating a conservative therapy. Cancer Treat Rep. 1978, 62(7), p.1037-1040.
- Blackwelder, W.C.. Proving the null hypothesis in clinical trials. Control Clin Trials. 1982, 3(4), p.345-353, doi: 10.1016/0197-2456(82)90024-1
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