本稿には、2019年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問3の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
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- この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
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〔1〕検査の感度・陽性的中率の算出
感度とは、「疾患に罹患している人の中で、陽性と判定される確率」のことである。したがって、疾患 に罹患している群(90人)に着目すると、感度はそれぞれ、
いっぽう、陽性的中率は、「陽性と判定された人の中で、実際に疾患に罹患している人の割合」のことである。それぞれの検査法で陽性と判定された群に着目すると、陽性的中率は、それぞれ、
〔2〕マクネマー検定の実施
ヒントにあるように、疾患 に罹思している群の中で、検査法 と検査法 で結果が異なるセルというという条件のもとで、
(陽性,陰性) のセルの観測度数は、帰無仮説のもとで、
二項分布の正規近似を行うと、漸近的に、
このとき検定統計量は、
これを標準正規分布の下側2.5%点と比べると、
したがって、帰無仮説は有意水準5%で棄却されないので、2つの検査法 と検査法 の真の感度に統計的な有意差があるとは言えないと結論づける。
〔3〕多項分布の正規近似と分散・共分散行列
多項分布の期待値、分散、共分散は、
問題文にあるように、多変量中心極限定理により、漸近的に
このとき、分散・共分散行列は、
行列を用いると、
ただし、行列 は、 の各成分を対角要素にもつ対角行列である。
〔4〕多変量のデルタ法
〔3〕の結果より、先ほどの統計量は、漸近的に8変量正規分布
ここで、問題文のような変数変換を行い、
多変量のデルタ法を用いて を期待値 まわりで近似すると、
偏導関数行列は、
期待値と分散はそれぞれ、
したがって、スラツキ―の定理により、漸近的に1変量正規分布
〔5〕ワルド型検定の実施
〔4〕の結果より、漸近分散を以下のようにおくと、
これを標準化した値は、
帰無仮説 における分布は、
未知の を に置き換え、 を で推定し、〔1〕の結果を用いると、検定統計量は、
〔2〕と同様に、これを標準正規分布の下側2.5%点と比べると、
したがって、帰無仮説は有意水準5%で棄却され、2つの検査法 と検査法 の真の陽性的中率には有意差があると結論づける。
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