統計検定 1級 2019年 医薬生物学 問3 検査精度

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【2023年2月1週】 【A000】生物統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2019年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問3の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕検査の感度・陽性的中率の算出

感度とは、「疾患に罹患している人の中で、陽性と判定される確率」のことである。したがって、疾患 D に罹患している群(90人)に着目すると、感度はそれぞれ、 Sen(A)=7290=45=0.8Sen(B)=8190=910=0.9 いっぽう、陽性的中率は、「陽性と判定された人の中で、実際に疾患に罹患している人の割合」のことである。それぞれの検査法で陽性と判定された群に着目すると、陽性的中率は、それぞれ、 PPV(A)=7272+18=45=0.8PPV(B)=8181+9=910=0.9

〔2〕マクネマー検定の実施

ヒントにあるように、疾患 D に罹思している群の中で、検査法 A と検査法 B で結果が異なるセルというという条件のもとで、 (A,B)=(陽性,陰性) のセルの観測度数は、帰無仮説のもとで、 XB(23,0.5) 二項分布の正規近似を行うと、漸近的に、 XN(11.5,5.75) このとき検定統計量は、 Z=Xnpnp(1p)=X23×0.523×0.5×0.5=711.55.75=1.877 これを標準正規分布の下側2.5%点と比べると、 z0.025=1.96<1.877=Z したがって、帰無仮説は有意水準5%で棄却されないので、2つの検査法 A と検査法 B の真の感度に統計的な有意差があるとは言えないと結論づける。

〔3〕多項分布の正規近似と分散・共分散行列

多項分布の期待値、分散、共分散は、 E(Xi)=nπiV(Xi)=nπi(1πi)Cov(Xi,Xj)=nπiπj 問題文にあるように、多変量中心極限定理により、漸近的に n(pπ)MN(0,Σ) このとき、分散・共分散行列は、 Σ=(π++D(1π++D)π++Dπ+Dπ++DπD¯π+Dπ++Dπ+D(1π+D)π+DπD¯π++DπD¯πD¯π±DπD¯(1πD¯)) 行列を用いると、 Σ=Dππ ただし、行列 D は、π の各成分を対角要素にもつ対角行列である。

〔4〕多変量のデルタ法

〔3〕の結果より、先ほどの統計量は、漸近的に8変量正規分布 n(pπ)N8(0,Dππ) ここで、問題文のような変数変換を行い、 f(π)=π+Dπ+D+π+D¯π+Dπ+D+π+D¯f(p)=x+Dx+D+x+D¯x+Dx+D+x+D¯ 多変量のデルタ法を用いて f(p) を期待値 E(p)=π まわりで近似すると、 偏導関数行列は、 H(π)={f(π)π} 期待値と分散はそれぞれ、 E[n{f(p)f(π)}]n{E[f(p)]E[f(π)]}=0 V[n{f(p)f(π)}]=V[nf(p)]+0={f(π)π}(Dππ){f(π)π} したがって、スラツキ―の定理により、漸近的に1変量正規分布 n{f(p)f(π)}N[0,{f(π)π}(Dππ){f(π)π}]

〔5〕ワルド型検定の実施

〔4〕の結果より、漸近分散を以下のようにおくと、 σ2={f(π)π}(Dππ){f(π)π}n{f(p)f(π)}N(0,σ2) これを標準化した値は、 Z=n{f(p)f(π)}σN(0,1) 帰無仮説 f(π)=0 における分布は、 Z0=nf(p)σN(0,1) 未知の πp に置き換え、σσ^=0.42 で推定し、〔1〕の結果を用いると、検定統計量は、 Z0=2000.42(0.80.9)2.18 〔2〕と同様に、これを標準正規分布の下側2.5%点と比べると、 Z0=2.18<1.96=z0.025 したがって、帰無仮説は有意水準5%で棄却され、2つの検査法 A と検査法 B の真の陽性的中率には有意差があると結論づける。

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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