統計検定 1級 2021年 医薬生物学 問1 生存時間分析:競合リスクがある場合

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【2023年2月1週】 【A000】生物統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2021年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問1の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕イベント確率密度関数と生存関数・ハザード関数の関係

条件付き確率の定義より、 λ(t)=limΔt01ΔtP(tTt+Δt|tT)=limΔt01ΔtP(tTt+Δt,tT)P(tT)=limΔt0P(tTt+Δt)Δt1P(tT) 生存関数の定義 S(t)=P(tT) より、 λ(t)=limΔt0P(tTt+Δt)Δt1S(t) イベント確率の分布関数の定義より、 λ(t)=limΔt0F(t+Δt)F(t)Δt1S(t) 微分の定義と分布関数と確率密度関数の関係より、 λ(t)=1S(t)ddtF(t)=f(t)S(t)f(t)=λ(t)S(t)

〔2〕カプラン・マイヤー法による生存関数の推定

カプラン・マイヤー法により生存関数を推定すると以下のようになる。

表1 カプラン・マイヤー法による生存関数表
経過時間
ti
リスク集合
ni
イベント数
di
打ち切り数
ci
生存者数
si
生存関数
S^(ti)
生存関数
1S^(ti)
4 8 0 1 80=8 88=1 11=0
6 7 0 1 70=7 1×77=1 11=0
8 6 0 1 60=6 1×66=1 11=0
10 5 1 0 51=4 1×45=45 145=15
12 4 1 0 41=3 45×34=35 135=25
14 3 1 0 31=2 35×23=25 125=35
16 2 0 1 20=2 25×22=25 125=35
18 1 1 0 11=0 25×01=0 10=1

グラフを描くと、以下のようになる。

競合リスクを考慮しない場合の累積死亡率
図1 カプラン・マイヤー法による累積死亡率(競合リスクを考慮しない場合)

〔3〕イベントごとの累積イベント発現関数の導出

〔1〕の結果より、 f1(t)=λ1(t)S2(t)f2(t)=λ2(t)S2(t) 分布関数と確率密度関数の関係より、 F1(t)=0tλ1(u)S2(u)duF2(t)=0tλ2(u)S2(u)du

〔4〕イベントごとの累積イベント発現関数の推定

問題文の定義に沿って各値を算出すると以下のようになる。

表2 イベントごとの生存関数表
ti j tji d1i d2i nji S^2(tji) S^2(tji) F^1(t) F^2(t)
0 0 0 8 88=1 1 08×1=0 08×1=0
4 2 t21 0 1 8 1×78=78 1 0+08×1=0 0+18×1=18
6 2 t22 0 1 7 78×67=34 78 0+07×78=0 18+17×78=14
8 0 0 0 6 34×66=34 34 0+06×34=0 14+06×34=14
10 1 t11 1 0 5 34×45=35 34 0+15×34=320 14+05×34=14
12 1 t12 1 0 4 35×34=920 35 320+14×35=310 14+04×35=14
14 1 t13 1 0 3 920×23=310 920 310+13×920=920 14+03×920=14
16 0 0 0 2 310×22=310 310 920+02×310=920 14+02×310=14
18 1 t14 1 0 1 310×01=0 310 920+11×310=34 14+01×310=14

したがって、(あ)6(い)5(う)0.15(え)0.75(お)0.125(か)0.25

〔5〕競合リスクに対する考慮の有無の比較

グラフを描くと、以下のようになる。

競合リスクに対する考慮の有無による累積死亡率の比較
図2 カプラン・マイヤー法による累積死亡率
(競合リスクに対する考慮の有無の比較)
〔2〕で求めた 1S1(t) の推定値は、上問〔4〕の方法で推定される累積イベント発生率 F^1(t) よりも過大推定されている。競合リスクイベントが存在する場合にはイベント発生率の推定には注意が必要である。

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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