本稿には、2024年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問4の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
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- この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
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目次[非表示]
〔1〕検定を繰り返すことによる第1種の過誤の増大
3つの帰無仮説のうち、少なくとも1つの帰無仮説が棄却される確率は、「すべての帰無仮説が棄却されない」という事象の余事象なので、
〔2〕ボンフェローニ法
ボンフェローニ法とは、
〔3〕FWERの制御方法
パターン① 分散分析の帰無仮説が真である場合
本問で設定されている一元配置分散分析の帰無仮説
パターン② 分散分析の帰無仮説が偽である場合
いっぽう、
この場合、偽である2つの検定に関して、第1種の過誤は生じない。いっぽう、真である1つの検定については、有意水準が
この場合、偽である1つの検定に関して、第1種の過誤は生じない。いっぽう、真である2つの検定については、〔1〕、〔2〕で検証したように、検定を繰り返すことにより、第1種の過誤の確率は約
(3)「すべてが偽」の場合(クリックで表示)
この場合、偽である3つの検定に関して、第1種の過誤は生じない。したがって、この場合、第1種の過誤の確率は
結論
以上より、各群の人数によらず、
〔4〕検定統計量どうしの相関係数①
正規分布の再生性などから、標本平均は、
相関係数の定義より、共分散を
分散の公式の変形より、
積の期待値を計算すると、
〔5〕多重対比法における対比ベクトル
直線的な用量反応関係においては、一般に
〔6〕検定統計量どうしの相関係数②
各群の人数を
多重対比法における検定統計量間の相関係数の公式の導出
導出過程(クリックで表示)
本問と同様、群
直線的な用量反応関係が成り立つよう、
相関係数の定義より、共分散を
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参考文献
- 永田 靖, 吉田 道弘 著. 統計的多重比較法の基礎. サイエンティスト社, 1997, 187p.
- 西山 智, 柳原 宏和, 吉村 功. 最大対比法を活用するための SAS/IMLプログラム. 計量生物学. 2003, 24(2), p.57-70, doi: 10.5691/jjb.24.57
- 坂巻顕太郎. 多重性調整方法に関する最近の話題. 2017, 12p, https://biostatistics.m.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2019/09/pdf/20171129symp03.pdf
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