統計検定 1級 2024年 統計数理 問4 期待値と累積分布関数の関係、混合分布

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【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2024年に実施された統計検定1級『統計数理』 問4の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 統計検定の問題の使用に関する規約により禁止されているため、問題文は掲載することができません。公式サイトで公開されているものなどをご参照ください。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕経験分布関数(累積度数分布)

得られたデータに対する度数分布表と経験分関数のグラフを書くと、それぞれ以下のようになる。

表1 度数分布表
x 度数 累積相対度数
1 1 15
2 2 35
3 1 45
6 1 1
経験分布関数のグラフ
図1 経験分布関数

〔2〕標本平均と経験分布関数の関係

標本平均の値は、 X¯=1×15+2×25+3×15+6×15=1×15+2×(3515)+3×(4535)+6×(145) この値は、経験分布関数において、以下に示す領域の面積を表している。

標本平均に対応する経験分布関数の領域のイメージ図
図2 標本平均に対応する経験分布関数の領域

〔3〕期待値と累積分布関数との関係

累積分布関数の定義式より、確率変数が非負の値のみを取る場合、 0{1F(x)}dx=0{10xf(t)dt}dx=0{0f(t)dt0xf(t)dt}dx=0(xf(t)dt)dx この計算において、x,t の定義域は、 0x()xt() したがって、積分領域は、 D={(x,t)| 0xt, t:0t()} 本問の確率密度関数は、可積分な連続関数、かつ非負な連続関数であることから、積分の順序を入れ替えて、 0{1F(x)}dx=0(0tf(t)dx)dt=0f(t)(0tdx)dt=0[xf(t)]0tdt=0tf(t)dt=E(X)

〔4〕指数分布とガンマ分布の混合分布

与式を計算すると、 f(x)=0λeλxβαΓ(α)λα1eβλdλ=βαΓ(α)0λ(α+1)1e(β+x)λdλ ガンマ関数の公式 Γ(a)ba=0λa1ebλdλ より、 a=α+1,b=(β+x) とし、与えられたガンマ関数の性質 Γ(α+1)=αΓ(α) を用いると、 f(x)=0λeλxβαΓ(α)λα1eβλdλ=βαΓ(α)Γ(α+1)(β+x)α+1=αβα(β+x)α+1

〔5〕混合分布の期待値

〔4〕で求めた混合分布の累積分布関数は、 F(x)=0xαβα(β+t)α+1dt=αβα[1α1(β+x)α]0x=αβα(1α(β+x)α+1αβα)=1(ββ+x)α 〔3〕の結果より、 E(X)=01{1(ββ+x)α}dx=0(ββ+x)αdx=βα[1α11(β+x)α1]0=βαα1(1βα1limx1(β+x)α1) ここで、まず α10α1 また、0<α<1 のとき、 limx1(β+x)α1 が発散してしまうため、期待値が存在する範囲は、 1<α このとき、期待値は、 E(X)=βαα11βα1=βα1

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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