本稿には、2024年に実施された統計検定1級『統計数理』 問2の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- 統計検定の問題の使用に関する規約により禁止されているため、問題文は掲載することができません。公式サイトで公開されているものなどをご参照ください。
- この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
- 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
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〔1〕累積分布関数と確率密度関数の導出
問題文で定義された確率変数 の累積分布関数
は、すなわち が 以下となる確率を表すが、
これは、 の条件の下での、半径 の円の面積に対する、半径 の円の面積が占める割合と考えることができる。
したがって、
累積分布関数と確率密度関数の関係より、
以上より、
図1 問題文の状況のイメージ図
〔2〕期待値と分散の計算
〔1〕の結果から、期待値の定義より、
同様に、
分散の公式 より、
〔3〕最大値の分布
最大値が 以下となるとき、すべての が 以下となるので、
すべての確率変数は互いに独立であるため、この確率は、〔1〕の結果を用いると、
累積分布関数と確率密度関数の関係より、
〔4〕連続一様分布のパラメータの最尤推定
本問において、確率変数 は
尤度関数 を求めると、
対数尤度関数 を求めると、
ここで、この対数尤度関数は、 において単調減少な関数であり、論理的に、
という制約があるため、
実際には、
したがって、対数尤度関数は、
において最大となるから、
最尤推定量の定義より、 の最尤推定量は
である。
図2 連続一様分布の対数尤度関数
〔5〕不偏推定量
標本の最大値 の期待値を求めると、〔3〕の結果より、
同様に、
分散の公式 より、
問題文で与えられた推定量の期待値を取ると、期待値の性質より、
不偏推定量の定義より、 が不偏推定量であるとき、
これが恒等式となるためには、
このとき、与えられた推定量の分散を取ると、分散の性質より、
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