統計検定 1級 2017年 統計数理 問4 2変量正規分布の条件付き分布

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【2023年6月2週】 【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2017年に実施された統計検定1級『統計数理』 問4の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕正規分布の線形変換と和の分布

線形変換の性質より、 a+kXN(a,k2) 正規分布の再生性より、 ZN(a,k2+1)

〔2〕相関係数の算出

XZ の積の期待値は、 E(XZ)=E{X(a+kX+Y)}=E(aX+kX2+XY)=aE(X)+kE(X2)+E(XY) ここで、分散の公式の変形 E(X2)=V(X)+{E(X)}2 より、 E(X2)=1+0=1 また、XY は独立なので、期待値の性質 E(XY)=E(X)E(Y) より、 E(XY)=00=0 したがって、 E(XZ)=a0+k1+0=k 共分散の公式 Cov(X,Z)=E(XZ)E(X)E(Z) より、 Cov(X,Z)=k+0a=k 相関係数の定義式 ρXZ=Cov(X,Z)σXσZ より、 ρXZ=k1k2+1=kk2+1

〔3〕条件付き分布の導出:元の確率変数に関する条件が与えられた場合

X=x が与えられたとき、a+kx は定数なので、線形変換の性質より、 E(Z|x)=E(a+kx+Y)=a+kx+E(Y)=a+kxV(Z|x)=V(a+kx+Y)=V(Y)=1 したがって、 Z|xN(a+kx,1)

〔4〕条件付き分布の導出:結果の確率変数に関する条件が与えられた場合

正規分布の確率密度関数は、 f(x)=12πσe(xμ)22σ2 X および Z の確率密度関数、条件付き確率密度関数、同時確率密度関数をそれぞれ以下のようにおくと、 g(x)h(z)g(x|z)f(x,z) 条件付き確率密度関数の定義式より、 g(x|z)=f(x,y)h(z) 同時確率密度関数の定義式 f(x,y)=h(z|x)g(x) より、 g(x|z)=h(z|x)g(x)h(z) 〔1〕と〔3〕の結果から、同時確率密度関数は、 h(z|x)g(x)=12πexp[{z(a+kx)}22]×12πexp[x22]=12πexp[{z(a+kx)}2+x22]=12πexp[12(k2+1){xkk2+1(za)}2]exp[(za)22(k2+1)] いっぽう、確率変数 Z の確率密度関数は、 h(z)=12π(k2+1)exp[(za)22(k2+1)] したがって、 g(x|z)=12πexp[12(k2+1){xkk2+1(za)}2]exp[(za)22(k2+1)]12π(k2+1)exp[(za)22(k2+1)]=k2+12πexp[k2+12{xkk2+1(za)}2] これは、平均と分散がそれぞれ、以下の値である正規分布の確率密度関数であるとみなすことができる。 μ=kk2+1(za)σ2=1k2+1 したがって、 X|zN[kk2+1(za),1k2+1]

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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