統計検定 1級 2018年 統計数理 問1 正規分布の標準偏差の推定

公開日:

【2023年6月2週】 【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

この記事をシェアする
  • B!
サムネイル画像

本稿には、2018年に実施された統計検定1級『統計数理』 問1の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕標本不偏分散の不偏性の証明

(i)標本平均の期待値
期待値の性質 E(i=1naXi)=ai=1nE(Xi) より、 E(X¯)=E(1ni=1nXi)=1ni=1nE(Xi)=1nnμ=μ

(ii)標本平均の分散
確率変数が互いに独立な時、分散の性質 V(i=1naXi)=a2i=1nV(Xi) より、 V(X¯)=V(1ni=1nXi)=1n2i=1nV(Xi)=1n2nσ2=σ2n

(iii)標本不偏分散の期待値
標本不偏分散の期待値を取ると、 E(S2)=E{1n1i=1n(XiX¯)2}=1n1E{i=1n(Xi22X¯Xi+X¯2)}=1n1E(i=1nXi22X¯i=1nXi+i=1nX¯2)=1n1E(i=1nXi22X¯i=1nXi+nX¯2) ここで、標本平均の定義式より、 X¯=1ni=1nXii=1nXi=nX¯ したがって、 E(S2)=1n1E(i=1nXi22X¯nX¯+nX¯2)=1n1E(i=1nXi2nX¯2)=1n1{E(i=1nXi2)nE(X¯2)}=1n1{i=1nE(Xi2)nE(X¯2)} 分散の公式の変形 E(X¯2)=V(X¯)+{E(X¯)}2 より、 E(X¯2)=σ2n+μ2 したがって、 E(S2)=1n1{n(σ2+μ2)n(σ2n+μ2)}=1n1(nσ2+nμ2σ2nμ2)=1n1(n1)σ2=σ2 よって、E(θ^)=θ が成り立つので、S2σ2 の不偏推定量である。

〔2〕カイ2乗分布の期待値と分散

(i)期待値
期待値の定義式 E(Y)=yf(y)dy より、 E(Y)=0y12n12Γ(n12)yn121ey2dy=12n12Γ(n12)0yn12ey2dy ここで、以下のように変数変換すると、 t=y2y=2tdydt=2dy=2dty:0t:0 となるので、 置換積分法により、 E(Y)=12n12Γ(n12)0(2t)n12et2dt=12n12Γ(n12)2n12+10tn12etdt=2Γ(n12)0tn+121etdt ガンマ関数の定義式 Γ(α)=0xα1exdx より、α=n+12 とすると、 E(Y)=2Γ(n12)Γ(n+12) ガンマ関数の性質 Γ(α+1)=αΓ(α) より、α=n12 とすると、 E(Y)=2Γ(n12)n12Γ(n12)=n1

(ii)分散
2乗の期待値の定義式 E(Y2)=y2f(y)dy より、 E(Y2)=0y212n12Γ(n12)yn121ey2dy=12n12Γ(n12)0yn12+1ey2dy (i)と同様の変数変換をすると、置換積分法により、 E(Y2)=12n12Γ(n12)0(2t)n12+1et2dt=12n12Γ(n12)2n12+20tn12+1etdt=4Γ(n12)0tn+321etdt ガンマ関数の定義式 Γ(α)=0xα1exdx より、α=n+32 とすると、 E(Y2)=4Γ(n12)Γ(n+32) ガンマ関数の性質 Γ(α+2)=α(α+1)Γ(α) より、α=n12 とすると、 E(Y2)=4Γ(n12)n12n+12Γ(n12)=(n+1)(n1) 分散の公式 V(Y)=E(Y2){E(Y)}2 より、 V(Y)=(n+1)(n1)(n1)2=(n1){(n+1)(n1)}=2(n1) ここで、 Y=i=1n(XiX¯σ)2=(n1)S2σ2 とすると、 正規分布の標本不偏分散の性質より、 Yχ2(n1) このとき、 S2=σ2n1Y 両辺の分散を取ると、 V(S2)=V(σ2n1Y)=σ4(n1)2V(Y)=σ4(n1)22(n1)=2σ4n1

〔3〕正規分布の標本標準偏差の期待値

期待値の定義式 E(Y)=yf(y)dy より、 E(Y)=0y12n12Γ(n12)yn121ey2dy=12n12Γ(n12)0yn21ey2dy 〔2〕と同様の変数変換を行うと、置換積分法により、 E(Y)=12n12Γ(n12)0(2t)n21et2dt=12n12Γ(n12)2n20tn21etdt=2Γ(n12)0tn21etdt ガンマ関数の定義式 Γ(α)=0xα1exdx より、α=n2 とすると、 E(Y)=2Γ(n12)Γ(n2) また、 Y=n1σSS=σn1Y したがって、 E(S)=E(σn1Y)=σn1E(Y)=2n1Γ(n2)Γ(n12)σ

〔4〕正規分布の標本標準偏差のバイアス

スターリングの公式より、 Γ(n12)2πexp(n12)(n12)n1212Γ(n2)2πexp(n2)(n2)n212 したがって、 E(S)σ2n12π2π(n2n12)n12n12exp(n2+n12)σ(nn1)n12exp(12)σ(1+1n1)n12exp(12)E(S)σ(1+1n1)n12exp(12) 両辺の対数を取ると、 logE(S)σ=12+n12log(1+1n1) ここで、対数関数のマクローリン展開 log(1+x)=xx22+x33 より、 logE(S)σ=12+n12(1n112(n1)2+13(n1)3)=12+1214(n1)+16(n1)214n+o(1n) よって E(S)=σexp(14n) ここで、x0 のとき、1+xex が成り立つので、 E(S)σ(114n) よって、 E(S)σ=σσ4nσ=σ4n

関連記事

自己紹介

自分の写真

yama

大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

QooQ