統計検定 1級 2018年 統計数理 問5 連続一様分布の順序統計量の分布

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【2023年6月3週】 【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2018年に実施された統計検定1級『統計数理』 問5の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕最大値・最小値の分布と期待値

連続一様分布 U(0,1) の確率密度関数と累積分布関数は、 g(x)={10x10otherG(x)={0x<0x0x111<x それぞれの確率変数が取り得る値は、 0Y110Y210Y31

(I-i)最大値の分布
最大値が y 以下となるとき、すべての Yiy 以下となるので、 F3(y)=P(Y1y,Y2y,Y3y) すべての確率変数は互いに独立であるため、この確率は、 F3(y)=P(X1y)P(X2y)P(Xny)=G(y)G(y)G(y)=y3 累積分布関数と確率密度関数の関係 f(x)=ddxF(x) より、 f3(y)=3y2

(I-ii)最小値の分布
最小値が y 以下となるとき、少なくとも1つの Yiy 以下となる。これは、「すべての Yiy 以上となる事象」の余事象であるから、 F1(y)=1P(yY1,yY2,yY3) 確率変数は互いに独立であるため、この確率は、 F1(y)=1P(yY1)P(yY2)P(yY3) 確率の基本性質 P(xX)=1P(Xx) より、 F1(y)=1[{1G(y)}{1G(y)}{1G(y)}]=1(1y)3 累積分布関数と確率密度関数の関係 f(x)=ddxF(x) より、 f1(y)=3(1y)2ddy(1y)=3(1y)2 したがって、 f3(y)={3y20y10otherf1(y)={3(1y)20y10other

(II)期待値
期待値の定義式 E(Y)=yf(y)dy より、 E(Y3)=01y3y2dy=013y3dy=[34y4]01=34(10)=34 E(Y1)=01y3(1y)2dy=301(y2y2+y3)dy=3[14y423y3+12y2]01=3(1423+12)=14

〔2〕2番目に大きい値の分布

2番目の値が y 以下となるのは、
X1, X2,X3 のうち2つが y 以下、かつ、1つが y 以上 もしくは、 X1, X2,X3 のすべてが y 以下 のときであるから、 (a)2つが y 以下となる確率は、 P1=3C2P(X1y)P(X2y)P(X3y)=3yy(1y)=3y23y3

(b)3つが y 以下となる確率は、(i)の結果より、 P2=y3 したがって、 F2(y)=3y23y3+y3=3y22y3 累積分布関数と確率密度関数の関係 f(x)=ddxF(x) より、 f2(x)=6y2+6y また、累積分布関数の定義 P(Y2<y)=F2(y) より、累積分布関数に y=0.5 を代入すると、 P(Y2<0.5)=30.5220.53=0.750.25=0.5

〔3〕標本範囲の期待値と分散

(i)期待値
期待値の性質 E(Y3Y1)=E(Y3)E(Y1)& より、 E(Z)=3414=12 (ii)分散
定義より、Y1Y3 の同時分布関数は、 F1,3(y1,y3)=P(Y1y1,Y3y3) すなわち、 最小値が y1 以下 かつ 最大値が y3 以下となる確率 これは、 「最大値が y3 以下」と「最小値が y1 以上 かつ 最大値が y3 以下」の差事象 と言い換えることができるので、 F1,3(y1,y3)=P[X(1)x1,X(n)xn]=P(Y3y3)P(y1<Y1,Y3y3)=F3(y3)P(y1<X1y3,y1<X2y3,y1<X3y3)=y33P(y1<X1y3)P(y1<X2y3)P(y1<X3y3)=y33{G(y3)G(y1)}3=y33(y3y1)3 同時分布関数と同時確率密度関数の関係 f(x,y)=2xyF(x,y) より、 f1,3(y1,y3)=y3{3(y3y1)2y1(y3y1)}=y3{3(y3y1)2}=6(y3y1) ここで、Y3,Y1が取り得る値は、 0Y1Y31 期待値の定義式 E[g(x,y)]=g(x,y)f(x,y)dxdy より、 E(Z2)=010y3(y3y1)26(y3y1)dy1dy3=016dy30y3(y3y1)3dy1=3201[(y3y1)4]0y3dy3=3201y34dy3=310[y35]01=310 分散の公式 V(X)=E(X2){E(X)}2 より、 V(Z)=31014=120

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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