統計検定 1級 2012年 統計数理 問4 区間推定と両側検定

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【2023年5月1週】 【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2012年に実施された統計検定1級『統計数理』 問4の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕信頼区間の導出

正規分布の標本平均の分布は、 x¯N(μ,1n) 標本平均 X¯ を標準化した値を Z=n(x¯μ) とすると、 標準化変換の性質より、 ZN(0,1) 標準正規分布の対称性から、 P{z(α2)Zz(α2)}=1α したがって、母平均の 100(1α)% 信頼区間は、 z(α2)n(x¯μ)z(α2)(1)x¯1nz(α2)μx¯+1nz(α2)

〔2〕両側検定の導出

ネイマン・ピアソンの基本定理により、次の棄却域と検定関数 φ(θ;x) をもつ検定が有意水準を α とする一様最強力不偏検定となる。 (2)φ(θ;x)={aT(X)b0:Accept H0T(X)<aorb<T(X)1:Reject H0 (i)尤度比の算出
正規分布の母平均の最尤推定量は、 μ^=x¯ 両仮説の尤度比 λ を計算すると、 λ=L(μ=0;x)L(μ=x¯;x)=i=1n12πexi22i=1n12πe(xix¯)22=i=1nexp[12{xi2(xix¯)2}]=exp[12{i=1n(2xix¯x¯2)}]=exp[12{2x¯i=1nxinx¯2}]=exp[12{2x¯nx¯nx¯2}]=exp[nx¯22]=h(x¯) したがって、検定統計量 T(X)=x¯ が考えられる。

(ii)帰無仮説における検定統計量の分布
帰無仮説 H0:μ=0 における標本平均の分布は、 x¯N(0,1n) 帰無仮説において、標本平均 x¯ を標準化した値を Z0=nx¯ とすると、 標準化変換の性質より、 Z0N(0,1) (iii)棄却域の導出
パーセント点の定義と標準正規分布の対称性から、 P{Z0<z(α2)}+P{z(α2)<Z0}=α したがって、式 (2) より、 (3)φ(θ;x)={z(α2)nx¯z(α2)0:Accept H0nx¯<z(α2)orz(α2)<nx¯1:Reject H0 すなわち、棄却域は、 R={x¯:x¯<1nz(α2),1nz(α2)<x¯}

〔3〕区間推定と両側検定が同義であることの証明

μ=0 が上問〔1〕で求めた信頼区間に入っているとき、式 (1) より、 x¯1nz(α2)0x¯+1nz(α2)1nz(α2)x¯1nz(α2) いっぽう、〔2〕の検定を棄却しないとき、式 (3) より、 1nz(α2)x¯1nz(α2) したがって、これら2つは、数学的に同義である。

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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