統計検定 1級 2014年 統計数理 問3 区間推定と両側検定

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【2023年5月3週】 【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2014年に実施された統計検定1級『統計数理』 問3の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕両側検定の導出

XY の平均をそれぞれ μX,μY とすると、 XiN(μX,σX2)YiN(μY,σY2) 正規分布の再生性より、Ui は互いに独立に、 UiN(μYβμX,β2σX2+σY2) ここで問題の仮定 μYβμX=0 より、 UiN(0,β2σX2+σY2) Ui の標本平均を以下のように定義すると、 U¯=1ni=1nUi 標本平均の分布は、 U¯N(0,β2σX2+σY2n) 帰無仮説 H0:β=β0 の下では、 U¯N(0,β02σX2+σY2n)

(i)母分散が既知の場合
帰無仮説の下で、U¯ を標準化した値を以下のように定義すると、 Z0=nU¯β02σX2+σY2 Z0N(0,1) ネイマン・ピアソンの基本定理により、次の棄却域と検定関数 φ(θ;x) をもつ検定が漸近的に有意水準を α とする一様最強力不偏検定となる。
φ(θ;u)={aZ0b0:Accept H0Z0<aorb<Z01:Reject H0 パーセント点の定義と標準正規分布の対称性から、 P[z(α2)Z0z(α2)]=1α したがって、求める検定方式は、 φ(θ;x)={z(α2)Z0z(α2)0:Accept H0Z0z(α2)orz(α2)Z01:Reject H0

(ii)母分散が未知の場合
帰無仮説の下での X,Y,U の標本不偏分散を以下のように定義すると、 sX2=1n1i=1n(XiX¯)2sY2=1n1i=1n(YiY¯)2sU2=1n1i=1n(UiU¯)2=β02sX2+sY2 帰無仮説の下で、標本不偏分散を用いて U¯ を標準化した値を以下のように定義すると、 t0=n1U¯sU t0t(n1) ネイマン・ピアソンの基本定理により、次の棄却域と検定関数 φ(θ;x) をもつ検定が漸近的に有意水準を α とする一様最強力不偏検定となる。
φ(θ;u)={at0b0:Accept H0t0<aorb<t01:Reject H0 パーセント点の定義と標準正規分布の対称性から、 P[tn1(α2)t0tn1(α2)]=1α したがって、求める検定方式は、 φ(θ;x)={tn1(α2)t0tn1(α2)0:Accept H0t0tn1(α2)ortn1(α2)t01:Reject H0

〔2〕信頼区間の導出

(i)母分散が既知の場合
〔1〕での議論により、β の信頼係数 1α の信頼区間の上下点は、次の β の方程式の解として求められる。 n(Y¯βX¯)β2σX2+σY2=z(α2) これを変形すると、 {z(α2)}2(β2σX2+σY2)=n(Y¯βX¯)2σX2n{z(α2)}2β2+σY2n{z(α2)}2=Y¯22X¯Y¯β+X¯2β2[X¯2σX2n{z(α2)}2]β22X¯Y¯β+Y¯2σY2n{z(α2)}2=0 2次方程式の解の公式より、信頼区間の上下点は、 X¯Y¯±(X¯Y¯)2[X¯2σX2n{z(α2)}2][Y¯2σY2n{z(α2)}2]X¯2σX2n{z(α2)}2

(ii)母分散が未知の場合
(i)と同様、信頼区間の上下点を求める方程式は、 n1(Y¯βX¯)β2sX2+sY2=tn1(α2) これは(i)の解において、 σX2sX2σY2sY2z(α2)tn1(α2) と置き換えたものと同じであるので、 求める信頼区間の上下点は X¯Y¯±(X¯Y¯)2[X¯2sX2n{tn1(α2)}2][Y¯2{tn1(α2)}2]X¯2sX2n{tn1(α2)}2

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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