統計検定 1級 2012年 統計数理 問1 連続一様分布の順序統計量の分布

公開日:

【2023年5月1週】 【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

この記事をシェアする
  • B!
サムネイル画像

本稿には、2012年に実施された統計検定1級『統計数理』 問1の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕確率積分変換

累積分布関数の定義から、P(Z<0)=P(1<Z)=0 であり、Z の定義域は、0Z1 である。

ここで、U の累積分布関数を G(u) とすると、 G(u)=P(Uu)=P{F(Z)u} また、F(z)\ は狭義単調増加関数なので、逆関数 Z=F1(u) が存在することから G(u)=P{ZF1(u)}=F{F1(u)}=u これは、一様分布 U(0,1) の累積分布関数であるから、 累積分布関数の一意性により、 ZU(0,1)

〔2〕順序統計量の分布

まず、確率変数 Xj の累積分布関数と確率密度関数をそれぞれ Gj(x)gj(x)0x1 とする。

(i)最大値 X3 の分布
最大値が x 以下となるとき、すべての Xjx 以下となるので、 G3(x)=P(X1x,X2x,X3x) 確率変数 Xj は互いに独立であるため、この確率は、 G3(x)=P(U1x)P(U2x)P(U3x)=F(x)F(x)F(x)={F(x)}3=x3 累積分布関数と確率密度関数の関係 g(x)=ddxG(x) より、 g3(x)=3x2

(ii)2番目に大きい値 X2 の分布
2番目の値が x 以下となるのは、
U1, U2,U3 のうち2つが x 以下、かつ、1つが x 以上 もしくは、 U1, U2,U3 のすべてが x 以下 のときであるから、 (a)2つが x 以下となる確率は、 P1=3C2P(Ux)P(Ux)P(Ux)=3xx(1x)=3x23x3 (b)3つが x 以下となる確率は、(i)の結果より、 P2=x3 したがって、 G2(x)=3x23x3+x3=3x22x3 累積分布関数と確率密度関数の関係 g(x)=ddxG(x) より、 g2(x)=6x2+6x

(iii)最小値 X1 の分布
最小値が x 以下となるとき、少なくとも1つの Xix 以下となる。これは、「すべての Xix 以上となる事象」の余事象であるから、 G1(x)=1P(xX1,xX2,xX3) 確率変数 Xj は互いに独立であるため、この確率は、 G1(x)=1P(xU1)P(xU2)P(xU3) 確率の基本性質 P(xX)=1P(Xx) より、 G1(x)=1[{1F(x)}{1F(x)}{1F(x)}]=1{1F(x)}3=1(1x)3 累積分布関数と確率密度関数の関係 g(x)=ddxG(x) より、 g1(x)=3(1x)2ddx(1x)=3(1x)2(1)=3(1x)2

それぞれのグラフを描くと、以下のようになる。

最小値の確率密度関数のイメージ図
図1 最小値の確率密度関数
二番目の値の確率密度関数のイメージ図
図2 二番目の値の確率密度関数
最大値の確率密度関数のイメージ図
図3 最大値の確率密度関数

〔3〕確率変数の期待値

期待値の定義式 E(X)=xf(x)dx より、
(i)最大値 X3 の期待値 E(X3)=01xg3(x)dx=01x3x2dx=013x3dx=[34x4]01=34

(ii)2番目に大きい値 X2 の期待値
E(X2)=01xg2(x)dx=01x(6x2+6x)dx=01(6x3+6x2)dx=[32x4+2x3]01=32+2=12

(iii)最小値 X1 の期待値 E(X1)=01xg1(x)dx=01x(3x26x+3)dx=01(3x36x2+3x)dx=[34x42x3+32x2]01=342+32=14

関連記事

自己紹介

自分の写真

yama

大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

QooQ