本稿には、2013年に実施された統計検定1級『統計数理』 問4の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
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- この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
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〔1〕最低限必要なサンプルサイズ
中央値の定義より、帰無仮説 の下で、各 が正の値をとる確率は、
個すべての値が正の値を取る確率は、
帰無仮説が有意水準5%で棄却されるためには、この確率が0.05よりも小さな値になれなければならないので、
したがって、サンプルサイズは、最低でも
でなければならない。
〔2〕棄却限界値の導出
まず、 の正負の組み合わせは、全部で 通り存在し、帰無仮説の下で、どのパターンも同様に確からしい。
帰無仮説を棄却する場合の数の総数を 通りとすると、
検定統計量 の値の最大値は、すべてが正の値の場合であるとき
検定統計量 の値を数え上げていくと、
は、 の1通り
は、 の1通り
は、 の1通り
は、 の2通り
は、 の2通り
したがって、
したがって、棄却限界値と有意確率は、それぞれ、
〔3〕検定統計量の期待値と分散
が正の値を取るか否かを以下のようなベルヌーイ試行と考え、
を の絶対値の順位とすると、検定統計量を以下のように定義することもできる。
(i)期待値
確率変数 について、期待値の定義式 より、
検定統計量 の期待値は、期待値の性質 より、
自然数の和の公式 より、
(ii)分散
2乗の期待値の定義式 より、
分散の公式 より、
確率変数が互いに独立なとき、分散の性質 より、
自然数の2乗和の公式 より、
〔4〕検定統計量の正規近似
検定統計量 は漸近的に、
のときは、
標準化した値を
とすると、
棄却限界値を求めると、
標準正規分布表より、 なので、
は整数値なので、
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