本稿には、2014年に実施された統計検定1級『統計数理』 問2の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
- この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
- 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
〔1〕ガンマ分布のモーメント母関数の導出
モーメント母関数の定義式 より、
モーメント母関数が存在するためには、指数部分が負である必要があるので、
ガンマ関数の公式 より、
〔2〕ガンマ分布の期待値と分散:モーメント母関数を用いる方法
モーメント母関数の1階微分を求めると、合成関数の微分法より、
1次モーメントとモーメント母関数の関係 より、
(ii)分散
モーメント母関数の2階微分を求めると、合成関数の微分法より、
2次モーメントとモーメント母関数の関係 より、
分散の公式 より、
〔3〕ガンマ分布の和の分布
(a)確率変数 の分布
〔1〕の結果より、 のときの のモーメント母関数は、
確率変数が互いに独立なとき、モーメント母関数の性質 より、
これは、ガンマ分布
のモーメント母関数とみなすことができる。
したがって、モーメント母関数の一意性により、
〔b〕和と比の独立性
まず、以下のような重複しない部分和を考えると、
と はそれぞれ独立に
したがって、 と の同時確率密度関数は、
ここで、 と を を用いて表すと、
と の同時確率密度関数 について考えるとヤコビアンは、
変数変換後の同時確率密度関数の公式 より、
ここで、右辺第1項は、ガンマ分布
の確率密度関数であり、
右辺第2項は、ベータ分布
の確率密度関数である。
また、この式は、確率変数の独立性の定義式 を満たすので、 は互いに独立である。
〔4〕連続一様分布の順序統計量の分布
連続一様分布 の累積分布関数と確率密度関数は、
順序統計量の確率密度関数の公式より、
これは、ベータ分布
の確率密度関数である。
よって、個々の確率密度関数が等しいので、確率密度関数の一意性により、個々の分布関数も等しく、同時分布も等しい。
〔5〕連続一様分布の順序統計量の期待値
〔4〕の結果より、
また、〔3〕における定義から、
両辺の期待値を取ると、
〔2〕の結果に を代入すると、
したがって、
また、〔1〕〔2〕の結果より、
いっぽう、〔3〕の結果より、 は互いに独立なので、期待値の性質 より、
関連記事
0 件のコメント:
コメントを投稿