統計検定 1級 2017年 医薬生物学 問3 治療法の有効性に関する臨床試験

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【2023年1月3週】 【A000】生物統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2017年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問3の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕二項確率

ステージ1の n1 名の患者のうち、有効と判定される患者数 X1 は、 X1B{n1π0,n1π0(1π0)} このとき、X1r1 となる確率は、二項分布の定義式より、 P(X1r1|π=π0)=k=0r1n1Ckπ0k(1π0)n1k

〔2〕第2種の過誤の確率

ステージ2に参加する n2 名の患者のうち、有効と判定される患者数を表す確率変数を X2 とすると、最終的に有効と判定される患者数は、 X=X1+X2 このとき、π=π1 のもとで治療法 T が無効と判定される事象は、 ステージ1で無効と判定される
または
ステージ1をクリアし、ステージ2で無効と判定される
すなわち、第2種の過誤の確率は、 β=P(X1r1)+P(r1+1X1)P(Xr)=P(X1r1)+P(r1+1X1)P(X2rx1) 問題の定義より、例えば、ステージ1で X1=x1 となる確率は、 P(X1=x1)=b(x1:π1,n1) したがって、二項分布の累積確率の考え方により、
(i)π=π1 のもとで、ステージ1で無効となる確率 P1=P(X1r1|π=π1)=x1=0r1b(x1:π1,n1) (ii)π=π1 のもとで、ステージ2で無効となる確率 P2=P(r1+1X1|π=π1)P(X2rx1|π=π1)=x1=r1+1n1{b(x1:π1,n1)x2=0rx1b(x2:π1,n2)} したがって、求める第2種の過誤の確率は、 β=x1=0r1b(x1:π1,n1)+x1=r1+1n1{b(x1:π1,n1)x2=0rx1b(x2:π1,n2)}

〔3〕第1種の過誤の確率

このとき、π=π0 のもとで治療法 T が有効と判定される事象は、 ステージ1をクリア
かつ
ステージ2をクリア
すなわち、第1種の過誤の確率は、 α=P(r1+1X1)P(r+1X)=P(r1+1X1)P(r+1x1X2) (i)π=π0 のもとでステージ1をクリアする確率 P1=P(X1r1|π=π0)=x1=r1+1n1b(x1:π0,n1) (ii)π=π0 のもとでステージ2をクリアする確率 P2=P(r+1x1X2|π=π0)=1P(X2rx1|π=π0)=1x2=0rx1b(x2:π0,n2) したがって、求める第1種の過誤の確率は、 α=x1=r1+1n1[b(x1:π0,n1){1x2=0rx1b(x2:π0,n2)}]

〔4〕具体的な状況での過誤確率

〔2〕〔3〕の結果より、与えられた状況下での第1種・第2種の過誤の確率はそれぞれ以下のようになる。
(i)第1種の過誤の確率
第1種の過誤が起こるパターンを数え上げると、 (X1,X2)=(1,37)(2,27)(3,17)(4,07)(5,07) よって、 α= b(1:0.1,5)×x2=37b(x2:0.1,7)+b(2:0.1,5)×x2=27b(x2:0.1,7)+b(3:0.1,5)×x2=17b(x2:0.1,7)+b(4:0.1,5)+b(5:0.1,5)= 0.3281×{1(0.4783+0.3720+0.1240)}+0.0729×{1(0.4783+0.3720)}+0.0081×(10.4783)+0.0005×1+0.0000×1= 0.0241 (ii)第2種の過誤の確率
第2種の過誤が起こるパターンを数え上げると、 (X1,X2)=(0)(1,0)(1,1)(1,2)(2,0)(2,1)(3,0) よって、 β= b(0:0.5,5)+b(1:0.5,5)×{b(0:0.5,7)+b(1:0.5,7)+b(2:0.5,7)}+b(2:0.5,5)×{b(0:0.5,7)+b(1:0.5,7)}+b(2:0.5,5)×b(0:0.5,7)= 0.0313+0.1563×(0.0078+0.0547+0.1641)+0.3125×(0.0078+0.0547)+0.3125×0.0078= 0.0887 *なお、第1種の過誤の確率については、治療法 T が無効な場合(π=π0)に、正しく無効と判断する確率を求め、1から引くことでも求めることができる。この場合、正しく無効と判断するパターンを数え上げると、 (X1,X2)=(0,x)(1,0)(1,1)(1,2)(2,0)(2,1)(3,0) となる。 この確率を求め、1から引くと同様の結果が得られる。

〔5〕試験参加者の期待値

まず、ステージ1は必ず実施されるので、ステージ1に参加する患者の期待値は、 E(N1)=5×1=5 ステージ2について、 ステージ2が実施される場合は、n2=7 人が参加する
ステージ2が実施されない場合は、n2=0 人が参加する
治療法 T が無効な場合(π=π0)にステージ2が実施される確率(=ステージ1をクリアする確率)は、 P(0+1X1|π=π0)=1P(X1=0|π=π0)=10.5905=0.4095 試験に参加する患者数 N の期待値は、期待値の定義より、 E(N)=5+(0×0.5905+7×0.4095)=7.8665

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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