統計検定 1級 2018年 医薬生物学 問5 ふた山型の混合正規分布

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【2023年1月4週】 【A000】生物統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2018年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問5の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕混合分布の期待値と分散

(i)期待値
期待値の定義式 E(X)=xf(x)dx より、 E(X)=x12{f1(x)+f2(x)}dx=12xf1(x)dx+12xf2(x)dx 期待値の定義式より、 xf1(x)dx=μ1xf2(x)dx=μ2 したがって、 ξ=E(X)=μ1+μ22 (ii)分散
分散の定義式 V(X)={xE(X)}2f(x)dx より、 V(X)=(xξ)2f(x)dx=(xξ)212{f1(x)+f2(x)}dx ここで、ヒントにあるように、 (xξ)2=(xμ1+μ22)2=(xμ1+μ1μ22)2=(xμ2μ1μ22)2 したがって、 V(X)=12(xξ)2f1(x)dx+12(xξ)2f2(x)dx=12[(xμ1)2+(xμ1)(μ1μ2)+(μ1μ22)2]f1(x)dx+12[(xμ2)2(xμ2)(μ1μ2)+(μ1μ22)2]f2(x)dx=12(xμ1)2f1(x)dx+12(μ1μ2)(xμ1)f1(x)dx+12(μ1μ22)2f1(x)dx+12(xμ2)2f2(x)dx+12(μ1μ2)(xμ2)f2(x)dx+12(μ1μ22)2f2(x)dx=12V(X1)+12(μ1μ2)E(X1μ1)+12(μ1μ22)2+12V(X2)+12(μ1μ2)E(X2μ2)+12(μ1μ22)2=12V(X1)+12V(X2)+12(μ1μ22)2+12(μ1μ22)2 したがって、 τ2=V(X)=σ2+(μ1μ22)2

〔2〕統合平均と統合分散

(i)統合平均
数学を選択した学生と選択していない学生は50名ずつなので、Aクラス全体の平均値は x¯=1100(69.7×50+49.6×50)=59.65 数学を選択した学生の点数と選択していない学生の点数をそれぞれ xi(i=1,,50)xj(j=51,,100) それぞれの標本平均と標本分散を x¯1=150i=150xis12=150i=150(xix¯1)2x¯2=150j=51100xjs22=150j=51100(xjx¯2)2 とすると、 x¯1x¯=x¯112(x¯1+x¯2)=12(x¯1+x¯2)x¯2x¯=x¯212(x¯1+x¯2)=12(x¯1+x¯2) よって、クラス全体の偏差平方和は、 A=i=150(xix¯)2+j=51100(xjx¯2)2=i=150(xix¯1+x¯1x¯)2+j=51100(xix¯2+x¯2x¯)2=i=150(xix¯1)2+2(x¯1x¯)i=150(xix¯1)+i=150(x¯1x¯)2+j=51100(xjx¯2)2+2(x¯2x¯)j=51100(xjx¯2)+j=51100(x¯2x¯)2 ここで、偏差の性質より、 i=150(xix¯1)=j=51100(xjx¯2)=0 したがって、 A=i=150(xix¯1)2+50(x¯1x¯)2+j=51100(xjx¯2)2+50(x¯2x¯)2=50s12+50s22+100(x¯1x¯22)2=100{s12+s222+(x¯1x¯22)2}=100{6.82+7.822+(69.749.62)2}=100154.54 よって、クラス全体での得点の標準偏差は、 s=100154.54100=154.5412.43

〔3〕確率密度関数の導関数

母集団分布 F の確率密度関数 f(x)f(x)=12{12πσe(xμ1)22σ2+12πσe(xμ2)22σ2}=122πσ{e(xμ1)22σ2+e(xμ2)22σ2} 1次導関数を求めると、 f(x)=122πσ{(xμ1)σ2e(xμ1)22σ2(xμ2)σ2e(xμ2)22σ2} 2次導関数を求めると、 f(x)=122πσ{1σ2e(xμ1)22σ2+(xμ1σ2)2e(xμ1)22σ21σ2e(xμ2)22σ2+(xμ2σ2)2e(xμ2)22σ2}=122πσ1σ2[{1(xμ1σ)2}e(xμ1)22σ2+{1(xμ2σ)2}e(xμ2)22σ2] 1次導関数において、x=ξ=μ1+μ22 を代入すると、 f(ξ)=122πσ{(ξμ1)σ2e(ξμ1)22σ2(ξμ2)σ2e(ξμ2)22σ2}=122πσ[μ1+μ22σ2exp{(μ2μ12)22σ2}μ1+μ22σ2exp{(μ1μ22)22σ2}]=0 したがって、x=ξf(x) の極値を与える。

〔4〕二峰性の条件

2次導関数での x=ξ のときの値を求めると、 f(ξ)=122πσ1σ2[{1(ξμ1σ)2}exp{(ξμ1)22σ2}+{1(ξμ2σ)2}exp{(ξμ2)22σ2}]=122πσ1σ2{2(μ1μ2)22σ2}exp{(μ1μ2)28σ2} f(x) が二峰性となるのは、x=ξ において下に凸、すなわち 0<f(ξ) ここで、 0<122πσ30<exp{(μ1μ2)28σ2} したがって、 2(μ1μ2)22σ2<02<(μ1μ2)22σ24<(μ1μ2)2σ22<|μ1μ2|σ

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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