統計検定 1級 2022年 統計数理 問3 ガンマ・ポアソン分布

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【2023年1月4週】 【B000】数理統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2022年に実施された統計検定1級『統計数理』 問3の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕ポアソン分布の期待値と分散

(i)期待値
期待値の定義式 E(X)=xf(x) より、 E(X)=x=0xλxeλx!=0λ0eλ0!+x=1xλxeλx!=x=1λxeλ(x1)!=λeλx=1λx1(x1)!=λeλy=0λyy! 指数関数のマクローリン展開 y=0λyy!=eλ より、 E(X)=λeλeλ=λ

(ii)分散
2次階乗モーメントの定義式 E{X(X1)}=x=0x(x1)f(x) より、 E{X(X1)}=x=0x(x1)λxeλx!=0+0+x=2nλxeλ(x2)!=λ2eλx=2λx2(x2)!=λ2eλz=0λzz!=λ2eλeλ=λ2 階乗モーメントを用いた分散の公式 V(X)=E{X(X1)}+E(X){E(X)}2 より、 V(X)=λ2+λλ2=λ

〔2〕ガンマ分布の期待値・分散

(i)期待値
期待値の定義式 E(X)=xf(x)dx より、 E(Λ)=0λβαΓ(α)λα1eβλdλ=βαΓ(α)0λα+11eβλdλ ガンマ関数の公式 Γ(α)βα=0xα1eβxdx より、 E(Λ)=βαΓ(α)Γ(α+1)βα+1 ガンマ関数の性質 Γ(α+1)=αΓ(α) より、 E(Λ)=βαΓ(α)αΓ(α)βα+1=αβ

(ii)分散
期待値の定義式 E(X2)=x2f(x)dx より、 E(Λ2)=0λ2βαΓ(α)λα1eβλdλ=βαΓ(α)0xα+21eβxdx ガンマ関数の公式 Γ(α)βα=0xα1eβxdx より、 E(Λ2)=βαΓ(α)Γ(α+2)βα+2 ガンマ関数の性質 Γ(α+2)=α(α+1)Γ(α) より、 E(Λ2)=βαΓ(α)α(α+1)Γ(α)βα+2=α(α+1)β2 分散の公式 V(X)=E(X2){E(X)}2 より、 V(Λ)=α(α+1)β2α2β2=αβ2

〔3〕ガンマ・ポアソン分布の確率関数

確率変数 X とパラメータ Λ の同時確率を考えると、これらが互いに独立なとき、 P(X=k,Λ=λ )=λkk!eλβαΓ(α)λα1eβλ=βαΓ(α)k!λα+k1e(β+1)λ 周辺確率関数の定義より、 f(k)=0βαΓ(α)k!λα+k1e(β+1)λdλ=βαΓ(α)k!0λα+k1e(β+1)λdλ ガンマ関数の公式 Γ(α+k)(β+1)α+k=0xα+k1e(β+1)xdx より、 f(k)=βαΓ(α)k!Γ(α+k)(β+1)α+k=Γ(α+k)Γ(α)k!(ββ+1)α(1β+1)k=(α1+k)!(α1)!k!(ββ+1)α(1β+1)k=α+k1Ck(ββ+1)α(1β+1)k これは、負の二項分布 NB(α,ββ+1) の確率関数である。

〔4〕ガンマ・ポアソン分布の期待値と分散

負の二項分布の確率変数 Y を互いに独立に幾何分布に従う確率変数 Xi (i=1,2,,n) の和 Y=X1+X2++Xn であることを用いる。

(i)幾何分布の期待値
期待値の定義式 E(X)=x=xf(x) より、 E(X)=x=0x(1p)xp=px=0x(1p)x 「等差×等比」型の級数の公式 |r|>1x=0xrx=r(1r)2 より、 E(X)=p1p{1(1p)}2=p1pp2=1pp

(ii)分散
同様に、 2乗の期待値の定義式 E(X2)=x=x2f(x) より、 E(X)=x=0x2(1p)xp=px=0x2(1p)x 「等差×等比」型の級数の公式 |r|<1x=0x2rx=r2+r(1r)3 より、 E(X2)=p(1p)2+(1p){1(1p)}3=p(1p)2+(1p)p3=(1p)2+(1p)p2 分散の公式 V(X)=E(X2){E(X)}2 より、 V(X)=(1p)2+(1p)p2(1p)2p2=1pp2

期待値の性質 E(i=1nXi)=i=1nE(Xi) より、 E(Y)=E(i=1nXi)=n(1p)p 分散の性質 V(i=1nXi)=i=1nV(Xi) より、 V(Y)=V(i=1nXi)=n(1p)p2 これらの式において、n=α,p=ββ+1,1p=1β+1 とすると、 E(X|λ)=αβ+1β1β+1=αβ V(X|λ)=αβ+1ββ+1β1β+1=αβ(β+1β)

〔5〕ガンマ・ポアソン分布のモーメント法推定量

期待値のモーメント法による推定量は、 E^(X)=X¯=1ni=1nXi 分散の推定量は、 V^(X)=S2=1ni=1n(XiX¯)2 〔4〕の結果より、 (1)X¯=α^β^α^=β^X¯(2)S2=α^(β^+1)β^2α^=S2β^2β^+1(1),(2) より、 X¯=S2β^2β^+1X¯=S2β^β^+1(S2X¯)β^=X¯β^=X¯S2X¯ α^=β^X¯=X¯2S2X¯ 0<Xi0<X¯ より、これらの推定量が正となるための条件は、 0<S2X¯

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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