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最大値・最小値の同時確率分布の導出

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【2023年4月2週】 【B000】数理統計学 【B060】標本分布

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本稿では、最大値・最小値の同時確率分布を導出しています。

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【定理】最大値・最小値の同時確率分布

【定理】
最大値・最小値の同時確率分布
Joint Distribution of Maximum and Minimum Statistics

累積分布関数 F(x) をもつ任意の確率分布（離散型・連続型いずれでもよい）からの無作為標本 X={X1,X2,⋯,Xn} について、 同時累積分布関数は、 F(1,n)(x1,xn)={ {F(xn)}n−{F(xn)−F(x1)}nx1<xn{F(xn)}nx1≥xn で与えられる。 また、連続型確率変数で確率密度関数 f(x) をもつ場合、同時確率密度関数は、 f(1,n)(x1,xn)={ n(n−1){F(xn)−F(x1)}n−2f(xn)f(x1)x1<xn0x1≥xn で与えられる。

 

証明

証明

（I）同時累積分布関数
（i）x1<xn のとき
同時累積分布関数の定義式 F(x,y)=P(X≤x,Y≤y) より、 F(1,n)(x1,xn)=P[X(1)≤x1,X(n)≤xn]=P[X(n)≤xn]−P[X(n)≤xn,x1<X(1)]=F(n)(xn)−P[x1<X1≤xn,⋯,x1<Xn≤xn]={F(xn)}n−P[x1<X1≤xn]⋯P[x1<Xn≤xn]={F(xn)}n−{F(xn)−F(x1)}n （ii）x1≥xn のとき
すべての X(i) について、X(i)≤xn なので、 F(1,n)(x1,xn)={F(xn)}n したがって、 F(1,n)(x1,xn)={ {F(xn)}n−{F(xn)−F(x1)}nx1<xn{F(xn)}nx1≥xn ◼

（II）連続型の場合の同時確率密度関数
同時累積分布関数と同時確率密度関数の関係 f(x,y)=∂2∂x∂yF(x,y) より、
（i）x1<xn のとき
xn で偏微分すると、 ∂∂xnF(1,n)(x1,xn)=n{F(xn)}n−1⋅f(xn)−n{F(xn)−F(x1)}n−1⋅f(xn) 続いて、x1 で偏微分すると、F(xn),f(xn) を定数と考えて、 f(1,n)(x1,xn)=−n(n−1){F(xn)−F(x1)}n−2⋅f(xn)⋅{−f(x1)}=n(n−1){F(xn)−F(x1)}n−2⋅f(xn)⋅f(x1) （ii）x1≥xn のとき
xn で偏微分すると、 ∂∂xnF(1,n)(x1,xn)=n{F(xn)}n−1⋅f(xn) 続いて、x1 で偏微分すると、F(xn),f(xn) を定数と考えて、 f(1,n)(x1,xn)=0 したがって、 f(1,n)(x1,xn)={ n(n−1){F(xn)−F(x1)}n−2f(xn)f(x1)x1<xn0x1≥xn ◼

 

参考文献

  • 野田 一雄, 宮岡 悦良 著. 入門・演習数理統計. 共立出版, 1990, p.173

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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