定積分と不定積分

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【2022年12月3週】 【C000】数学 【C050】積分

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本稿では、定積分と不定積分を紹介しています。

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上方和と下方和

f を閉区間 [a,b] で定義された関数とし、f はこの区間で連続であるとする。

区間 [a,b]分割とは a=x0<x1<xn1<xn=b であるような有限個の点の列 x0,x1,xn1,xn を指す。 ここで n は任意の自然数である。

いま、分割を一般に P のような文字で表し、上記の分割をたとえば P=(x0,x1,xn1,xn) のように書く。 分割は必ずしも等分である必要はなく、小区間の幅 x1x0,x2x1,,xnxn1 が一定である必要はない。

さて、上のように f を閉区間 [a,b] で連続な関数とし、 P=(x0,x1,xn1,xn) を区間 [a,b] の1つの分割とする。 小区間 [xk1,xk] における f の最大値、最小値をそれぞれ maxf(x)=Mkminf(x)=mk とする。

そのとき、和 M1(x1x0)+M2(x2x1)++Mn(xnxn1)m1(x1x0)+m2(x2x1)++mn(xnxn1) をそれぞれ、 分割 P に対する f上方和 upper sum下方和 lower sum と呼ぶ。ここでは、これらを U(P,f)=k=1nMk(xkxk1)L(P,f)=k=1nmk(xkxk1) で表す。

定義によって mkMk であり、0<xkxk1 なので、 mk(xkxk1)Mk(xkxk1) 両辺の k=1,2,,n についての和を取ると、 L(P,f)U(P,f) すなわち、任意の分割 P に対して下方和は上方和を超えない。

一般に次の定理が成り立つ。

【定理】
積分の存在定理
Existence of Integrals

関数 f を区間 [a,b] で連続であるとする。そのとき、任意の下方和 L(P,f) より大きいかまたは等しく、任意の上方和 U(P,f) より小さいかまたは等しいような、ただ1つの数が存在する。ただし、ここで文字 P は区間 [a,b] の分割を一般的に表す。

上の定理によって確定するただ1つの数のことを、区間 [a,b] における f積分 Integral、または、定積分 definite integral とよび、記号 abfabf(x)dx で表す。 a をこの定積分の下端 lower limitb上端 upper limit と呼ぶ。

定積分の基本性質

【定理】
定積分の基本性質
Basic Properties of Definite Integrals

基本性質①
f を区間 [a,b] で連続な関数とする。m,M は定数で、[a,b] に属するすべての点 x に対して mxM が成り立つとき (1)m(ba)abf(x)dxM(ba) が成り立つ。

基本性質②
f を区間 [a,b] で連続な関数とし、ca<c<b を満たす任意の数とする。そのとき (2)abf(x)dx=acf(x)dx+cbf(x)dx が成り立つ。

微分と積分の関係

f を区間 I で連続な関数、aI の1つの定点とする。このとき、I の任意の点 x に対して、積分 axf(t)dt が定義される。 これは上端の x によって値が定まるので、x の関数である。この関数を G(x)=axf(t)dt とおく。 この関数 G について次の定理が成り立つ。

【定理】
微分と積分の関係
Relationship between Derivative and Integration

上記の仮定のもとに、関数 G は区間 I で微分可能で、 G(x)=f(x) が成り立つ。

証明

証明

x を区間 I の1つの点、h を、x+h がやはり I に属するような、絶対値が十分小さい数とする。命題をいいかえると、 limh0G(x+h)G(x)h=f(x)

x は区間 I の右端の点ではないと仮定し、0<h とする。関数 G の定義によって、ニュートン商の分子は G(x+h)G(x)=ax+hf(t)dtaxf(t)dt 定積分の基本性質②より、 ax+hf(t)dt=axf(t)dt+xx+hf(t)dt よって、 G(x+h)G(x)=axf(t)dt+xx+hf(t)dtaxf(t)dt=xx+hf(t)dt 区間 [x,x+h] における f の最大点を c、最小点を d とすると、[x,x+h] に属する任意の t に対して f(d)f(t)f(c) このとき、 f(d)(x+hx)=f(d)hf(c)(x+hx)=f(c)h 定積分の基本性質①より、 f(d)hxx+hf(t)dtf(c)h 辺々を 0<h で割ると、 f(d)1hxx+hf(t)dtf(c)f(d)G(x+h)G(x)hf(c) ここで h0 に近づける。そのとき x+hx に近づき、点 c,d は区間 [x,x+h] の点なので、これらも x に近づく。したがって、はさみうちの原理より、 f(x)limh0G(x+h)G(x)hf(x)limh0G(x+h)G(x)h=f(x) h が負で 0 に近づくときにも、同様にして上の極限の式が成り立つことが証明される。

原始関数

f を区間 I で定義された関数、F を同じく区間 I で定義された関数で、 F(x)=f(x) が成り立つとき、Ff原始関数 antiderivative、または、不定積分 indefinite integral と呼ぶ。 任意の関数 f が原始関数をもつとは限らない。しかし、もし f が原始関数 F をもつならば、C を任意の定数として、関数 G(x)=F(x)+C もまた f の原始関数である。 なぜなら、定数の微分は 0 だからである。

一般に、区間 I で関数 f が原始関数をもつならば、それは、定数の差を除いて一意的に定まる。また、連続関数については、連続関数は必ず原始関数をもつと言える。

実際、f を区間 I で定義された連続な関数とする。そのとき、aI の1つの定点とし、I の任意の点 x に対して G(x)=axf(x)dx とおけば、微分と積分の関係によって G(x)=f(x) すなわち、Gf の1つの原始関数となっている。ゆえに上の主張が成り立つ。

微分積分学の基本定理

【定理】
微分積分学の基本定理
Fundamental Theorem of Calculus

f を区間 I で連続な関数、Ff の1つの原始関数とする。そのとき、Iの任意の2点 a,b に対して abf(x)dx=F(b)F(a) が成り立つ。

証明

証明

いま I の2点 a,b が与えられたとして、それらを固定する。そのとき、任意の xI に対し、 G(x)=axf(x)dx とおけば、 Gf の1つの原始関数なので、定理に与えられている原始関数 F とこの G との差は定数である。すなわち、I においてつねに G(x)=F(x)+C が成り立つような定数 C が存在する。 この定数 C を決定するために、上の等式において特に x=a とおくと G(a)=F(a)+C ここで、 G(a)=aaf(x)dx=0 よって、 F(a)+C=0C=F(a) したがって G(x)=F(x)F(a) この等式は、任意の xI に対して成り立つので、上に得た等式で x=b とすると、 abf(x)dx=F(b)F(a)

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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