本稿では、指数関数と対数関数を紹介しています。
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累乗
任意の数 $a$ に対し、$a$ を $n$ 回かけたものを $a$ の $n$ 乗 n-th power of a と呼ぶ。一般に $a$ の $n$ 乗 \begin{gather} \left\{a_n\right\}= \left\{a,a^2,a^3, \cdots ,a^n, \cdots \right\} \end{gather} を総称して、$a$ の累乗 exponentiation、またはべき乗 と呼ぶ。 $a$ の累乗に対し、$n$ を 指数 exponent という。
累乗根
任意の実数 $a$ に対し、 \begin{gather} x^n=a \end{gather} を満たす数 $x$ を$a$ の $n$ 乗根 n-th root of a と呼び、 $n$ 乗根を総称して、$a$ の累乗根 power root、またはべき乗根 と呼ぶ。 一般に累乗根は、 \begin{gather} x=\sqrt[n]{a} \end{gather} と書く。
任意の正の実数 $0 \lt a$ に対し、$m$ を任意の整数、$n$ を正の整数とするとき、 \begin{gather} a^\frac{m}{n}=\sqrt[n]{a^m} \end{gather} 特に、 \begin{gather} a^\frac{1}{n}=\sqrt[n]{a} \end{gather} と定義する。
指数法則
【定理】
指数法則
Law of Exponents
任意の正の実数 $a$ に対し、$m,n$ を任意の実数として、 \begin{gather} a^m \cdot a^n=a^{m+n} \end{gather} \begin{gather} \frac{a^m}{a^n}=a^{m-n} \end{gather} \begin{gather} \left(a^m\right)^n=a^{mn} \end{gather} \begin{gather} \left(ab\right)^n=a^n \cdot b^n \end{gather} \begin{gather} \left(a\right)^{-n}=\frac{1}{a^n} \end{gather} \begin{gather} \left(\frac{b}{a}\right)^n=\frac{b^n}{a^n} \end{gather} が成り立つ。
指数関数
任意の実数 $x$ に対し、 \begin{gather} y=a^x \quad a \neq 1 \end{gather} という関数を $a$ を底とする指数関数 exponential function という。
対数
$0 \lt a,a \neq 1$ とするとき、任意の正の実数 $M$ に対し、 \begin{gather} M=a^u \end{gather} を満たす実数 $u$ がただひとつ存在する。 この実数 $u$ を、$a$ を底とする $M$ の対数 logarithm といい、 \begin{gather} u=\log_a{M} \end{gather} と書く。 またこのとき、$M$ を $a$ を底とする $u$ の真数 antilogarithm という。
対数関数
任意の正の実数 $x$ に対し、 \begin{gather} y=\log_a{x} \end{gather} という関数を $a$ を底とする対数関数 logarithmic function という。
対数関数 \begin{gather} y=\log_a{x} \end{gather} は指数関数 \begin{gather} y=a^x \quad a \neq 1 \end{gather} の逆関数である。
対数の基本性質
【定理】
対数の基本性質
Basic Properties of Logarithm
$0 \lt a,a \neq 1$ とするとき、任意の正の実数 $0 \lt M,0 \lt N$ に対し、 \begin{gather} \log_a{1}=0 \end{gather} \begin{gather} \log_a{a}=1 \end{gather} \begin{gather} \log_a{MN}=\log_a{M}+\log_a{N} \end{gather} \begin{gather} \log_a{\frac{M}{N}}=\log_a{M}-\log_a{N} \end{gather} \begin{gather} \log_a{M^p}=p\log_a{M} \end{gather} が成り立つ。
底の変換公式
【定理】
底の変換公式
Change of Base Formula
任意の正の実数 $a,b,M$ に対し、$a \neq 1,b \neq 1$ のとき、 \begin{gather} \log_a{b} \cdot \log_b{M}=\log_a{M} \end{gather} \begin{gather} \log_b{M}=\frac{\log_a{M}}{\log_a{b}} \end{gather} \begin{gather} \log_b{a}=\frac{1}{\log_a{b}} \end{gather} が成り立つ。
参考文献
- 松坂 和夫 著. 数学読本. 新装版, 岩波書店, 2019, p.15-16
- 松坂 和夫 著. 数学読本 2. 新装版, 岩波書店, 2019, p.303-323
- 指数法則の直感的な意味と利用例. 高校数学の美しい物語. 2021-02-24. https://manabitimes.jp/math/1535.
- 対数の基本的な性質とその証明. 高校数学の美しい物語. 2022-05-26. https://manabitimes.jp/math/1336.
- 底の変換公式の証明と例題. 高校数学の美しい物語. 2022-05-26. https://manabitimes.jp/math/1223.
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