基本的な関数の微分公式

公開日:

【2022年12月2週】 【C000】数学 【C040】微分

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本稿では、基本的な関数の微分公式を導出しています。

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ネイピア数

次の極限値 (1)limx(1+1x)x=limx0(1+x)1x=e で定義される数をネイピア数 Napier's constant という。

ネイピア数は、指数関数 y=ax の点 (0,1) における接線の傾きがちょうど 1 になる a の値を意味しているため、 limx0ex1x=1

底が e の対数は、しばしば自然対数と呼ばれ、底の部分を省略して単に y=logx と書く。 そのため、ネイピア数は自然対数の底とも呼ばれる。

(1) の両辺について、自然対数をとると、 limx0log(1+x)x=1 この逆数を取ると、 limx0xlog(1+x)=1

ネイピア数の累乗

【命題】
ネイピア数の累乗
A Property of Napier's constant

任意の実数 a に対し、 limx(1+ax)x=ea が成り立つ。

証明

証明

[1]0<a のとき
与式において ax=1tx=att=xa とすると、 xのときt したがって、 limx(1+1t)at={limt(1+1t)t}a=ea

[2]a<0 のとき
与式において ax=tx=at とすると、 xのときt0 したがって、 limx(1+t)at={limt0(1+t)1t}a=ea

[3]a=0 のとき limx(1+0)x=1=e0

指数関数の微分公式

【公式】
指数関数の微分公式
Derivatives of Exponential Functions

[1]y=ex y=ex [2]y=ax y=axloga0<a [3]y=xx y=xx(1+logx)

証明

証明

微分の定義より、 y=limh0ex+hexh=limh0exeh1h=exlimh0eh1h=ex1=ex

証明

証明

与えられた関数を y=ax0<a,a1 とすると、 y=limh0ax+haxh=limh0ah1hax=axlimh0ah1h ここで、ah1=u とおくと、 ah=u+1hloga=log(u+1)1h=logalog(u+1) したがって、 limh0ah1h=limh0ulog(u+1)loga limu0ulog(u+1)=1 より、 したがって、 y=axloga

a=e を代入すると、 {ex}=exloge=ex

【別解】 y=ax=exloga とおき、 xloga=t とすると、 合成関数の微分法により、 y=(ddtet)(ddxxloga)=etloga=axloga

証明

証明

与式の両辺の対数をとると、 logy=xlogx この両辺を x で微分すると、 ddx(logy)=x1x+1logx=1+logx 対数の微分公式より、 yy=1+logxy=y(1+logx)=xx(1+logx)

対数関数の微分公式

【公式】
対数関数の微分公式
Derivatives of Logarithmic Functions

[1]y=logx y=1x0<x [2]y=logax y=1xloga0<x [3]y=logf(x) y=f(x)f(x)0<f(x)

証明

証明

指数関数と対数関数の関係より、 y=logxx=ey 逆関数の微分公式より、 y=1x=1ey=1elogx=1x

証明

証明

指数関数と対数関数の関係より、 y=logaxx=ay 逆関数の微分公式より、 y=1x=1ayloga=1alogaxloga=1xloga

証明

証明

f(x)=ty=logt とおくと、 合成関数の微分法により dydx=dydtdtdx=ddt(logt)ddx{f(x)}=1tf(x)=f(x)f(x)

累乗の微分公式

【公式】
累乗の微分公式
Power rule

関数 y=xn の導関数は、 y=nxn1 で与えられる。

証明

証明

与式を (1)y=xn とする。

[i]0<x のとき
(1) の両辺が正であることから、両辺の自然対数をとって、 logy=nlogx 両辺を x で微分すると、 ddxlogy=ddxnlogxddylogydydx=nx1ydydx=nxdydx=nyx dydx=nxxn=nxn1

[ii]x<0 のとき
x=u とおくと、 y=xn=(u)n=(1)nun 両辺を x で微分すると、 dydx=dydududx=ddu{(1)nun}ddx(x)=(1)nnun1(1)=(1)n+1n(x)n1=(1)n+1(1)n1nxn1=(1)2nnxn1={(1)n}2nxn1=nxn1

したがって、[i][ii]より、 dydx=nxn1

参考文献

  • 松坂 和夫 著. 数学読本 4. 新装版, 岩波書店, 2019, p.870-878
  • 自然対数の底(ネイピア数)の定義:収束することの証明. 高校数学の美しい物語. 2022-07-04. https://manabitimes.jp/math/714.
  • 指数関数の微分公式の4通りの証明. 高校数学の美しい物語. 2021-03-07. https://manabitimes.jp/math/1112.
  • べき関数の微分公式の3通りの証明. 高校数学の美しい物語. 2021-03-07. https://manabitimes.jp/math/1132.

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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