粗率と加重最小2乗和の関係

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【2022年11月4週】 【A000】生物統計学 【A051】コホート研究 【A090】多変量回帰モデル 【A093】ポアソン回帰分析

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本稿では、二重同次ポアソンモデルのもとでの粗率と加重最小2乗和の関係に関する証明を行っています。

なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
  • 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(n0,π0 など)や「2」である場合(n2,π2 など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。

【命題】粗率と加重最小2乗和の関係

【命題】
粗率と加重最小2乗和の関係
Relationship between Crude Rate and Weighted Least Squares

二重同次ポアソンモデルのもとで、
〔1〕粗率と加重最小2乗和の同等性 r¯=i=1Nτ^irii=1Nτ^i=λ^ri=ditiτ^i=1V^(ri) 〔2〕加重最小2乗和の最尤推定分散 V^(r¯)=1i=1Nτ^i=V^(λ^)

証明:粗率と加重最小2乗和の同等性

証明

二重同次ポアソンモデルの仮定より、 E(di)=V(di)=λti 各被験者の率の定義より、 ri=diti 両辺の期待値を取ると、 E(ri)=E(diti)=1tiE(di)=1tiλti=λ 両辺の分散を取ると、 V(ri)=V(diti)=1ti2V(di)=λtiti2=λti 率の分散の最尤推定量は、 V^(ri)=λ^ti 定義より、 τ^i=1V^(ri)=tiλ^ 同様に、加重最小2乗和の定義より、 r¯=i=1Nτ^irii=1Nτ^i=i=1Ntiλ^rii=1Ntiλ^=i=1NtiriT=i=1NtiditiT=i=1NdiT=DT=λ^

証明:加重最小2乗和の最尤推定分散

証明

まず、 i=1Nτ^i=i=1Ntiλ^=1λ^i=1Nti=Tλ^1i=1Nτ^i=λ^T=V^(λ^) 加重最小2乗和の分散を取ると、 V^(r¯)=V(i=1Nτ^irii=1Nτ^i)=(1i=1Nτ^i)2V(i=1Nτ^iri)=λ^2T2V(i=1Ntiλ^diti)=λ^2T2V(i=1Ndiλ^)=λ^2T21λ^2i=1NV^(di)=1T2i=1Nλ^ti=λ^TT2=λ^T=1i=1Nτ^i

参考文献

  • ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.412-414, p.451

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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