本稿は、ジョン・ラチン(2020)『医薬データのための統計解析』の「問題6.2」の自作解答例です。ロジスティック・モデルによる対数オッズ比の最尤推定(積二項分布モデル)に関する問題です。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。 - 漸近的な性質を用いる際は、①中心極限定理が成り立つ、②漸近分散を推定する際に、母数をその一致推定量で置き換えることができるということが成り立つと仮定しています。
- デルタ法を用いる際、剰余項(2次の項)が漸近的に無視できる(
に確率収束する)と仮定しています。 - 著作権の関係上、問題文は、掲載しておりません。上述の参考書をお持ちの方は、お手元にご用意してご覧ください。
- この解答例は、筆者が自作したものであり、公式なものではありません。あくまでも参考としてご覧いただければ幸いです。
目次[非表示]
問題6.2.1:尤度・対数尤度
積二項尤度の基本式より、
問題6.2.2:スコア関数①
対数尤度をパラメータ
問題6.2.3:スコア関数②
同様に、対数尤度関数を
問題6.2.4:連鎖律によるスコア方程式の導出
尤度方程式は、連鎖律(多変数関数の合成関数の微分)を用いても得られる。
連鎖律の定義式は、
問題6.2.5:ヘッセ行列
ヘッセ行列の成分の定義より、
問題6.2.6:最尤推定量
最尤推定量
問題6.2.7:スコア方程式
得られた最尤推定量より、
問題6.2.8:期待情報行列
期待情報行列の成分は、
問題6.2.9:漸近分散・共分散行列
別な表現として、
問題6.2.10:標本対数オッズ比の漸近分散
推定量の共分散行列に、ロジスティック・モデルの各値を代入すると、
問題6.2.11:ワルド検定統計量
ワルド検定の検定統計量の定義
問題6.2.13:尤度比検定
対数尤度の式より、帰無仮説
問題6.2.14:スコア方程式と推定情報行列
問題6.2.15:有効スコア検定とコクラン検定の同等性
期待情報行列の逆行列
参考文献
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.295-296
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.269-275
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