統計検定 1級 2022年 医薬生物学 問2 マッチング研究

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【2022年11月3週】 【A000】生物統計学 【D000】統計検定 過去問

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本稿には、2022年に実施された統計検定1級『医薬生物学』 問2の自作解答案を掲載しています。なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • 著作権の関係上、問題文は、掲載することができません。申し訳ありませんが、閲覧者のみなさまでご用意いただければ幸いです。
  • この答案は、あくまでも筆者が自作したものであり、公式なものではありません。正式な答案については、公式問題集をご参照ください。
  • 計算ミスや誤字・脱字などがありましたら、コメントなどでご指摘いただければ大変助かります。
  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

〔1〕死亡リスクの算出

表1の周辺度数を求めると、以下のようになる。

表1 運転者と同乗者の生存・死亡データ
同乗者
(シートベルトなし)
合計
死亡 生存
運転者
(シートベルトあり)
死亡 $442$ $662$ $1104$
生存 $2632$ $1477399$ $1480031$
合計 $3074$ $1478061$ $1481135$

したがって、運転者の死亡リスクは、 \begin{gather} \pi_1=\frac{1104}{1481135}\cong0.0007 \end{gather} 同乗者の死亡リスクは、 \begin{gather} \pi_0=\frac{3074}{1481135}\cong0.0021 \end{gather} $\blacksquare$

〔2〕死亡リスク比と死亡オッズ比の算出

同乗者の運転者に対する死亡リスク比は、 \begin{align} \mathrm{RR}&=\frac{\pi_0}{\pi_1}\\ &=\frac{\frac{3074}{1481135}}{\frac{1104}{1481135}}\\ &=\frac{3074}{1104}\\ &=2.78 \end{align} 同様に、同乗者の運転者に対する死亡オッズ比は、 \begin{align} \mathrm{OR}&=\frac{\pi_0}{1-\pi_0} \cdot \frac{1-\pi_1}{\pi_1}\\ &=\frac{\frac{3074}{1481135}}{\frac{1478061}{1481135}} \cdot \frac{\frac{1480031}{1481135}}{\frac{1104}{1481135}}\\ &=\frac{3074}{1478061} \cdot \frac{1480031}{1104}\\ &=2.79 \end{align} $\blacksquare$

〔3〕マンテル・ヘンツェル推定量

同乗者と運転者の生存・死亡状況を整理すると、 \begin{gather} n_k=1 \quad m_k=1 \quad N_k=2 \end{gather} は実質的にどの状況にも共通する定数であり、

①(同乗者・運転者)=(死亡・死亡)のペアは、 \begin{gather} A_k=1 \quad B_k=1 \quad C_k=0 \quad D_k=0 \end{gather} これは、表1より、 \begin{gather} N_{ \left(D,D\right)}=442 \end{gather} 組である。

表〔3-1〕 同乗者と運転者の生存・死亡状況
死亡 生存 合計
同乗者 $1$ $0$ $n_k=1$
運転者 $1$ $0$ $m_k=1$
合計 $N_k=2$

②(同乗者・運転者)=(死亡・生存)のペアは、 \begin{gather} A_k=1 \quad B_k=0 \quad C_k=0 \quad D_k=1 \end{gather} これは、表1より、 \begin{gather} N_{ \left(D,S\right)}=2632 \end{gather} 組である。

表〔3-2〕 同乗者と運転者の生存・死亡状況
死亡 生存 合計
同乗者 $1$ $0$ $n_k=1$
運転者 $0$ $1$ $m_k=1$
合計 $N_k=2$

③(同乗者・運転者)=(生存・死亡)のペアは、 \begin{gather} A_k=0 \quad B_k=1 \quad C_k=1 \quad D_k=0 \end{gather} これは、表1より、 \begin{gather} N_{ \left(S,D\right)}=662 \end{gather} 組である。

表〔3-3〕 同乗者と運転者の生存・死亡状況
死亡 生存 合計
同乗者 $0$ $1$ $n_k=1$
運転者 $1$ $0$ $m_k=1$
合計 $N_k=2$

④(同乗者・運転者)=(生存・生存)のペアは、 \begin{gather} A_k=0 \quad B_k=0 \quad C_k=1 \quad D_k=1 \end{gather} これは、表1より、 \begin{gather} N_{ \left(S,S\right)}=1,477,399 \end{gather} 組である。

表〔3-4〕 同乗者と運転者の生存・死亡状況
死亡 生存 合計
同乗者 $0$ $1$ $n_k=1$
運転者 $0$ $1$ $m_k=1$
合計 $N_k=2$

ここからマンテル・ヘンツェルリスク比の推定量を求めると、分子は $A_k=1$ の場合のみ、分母は $B_k=1$ の場合のみを考えればよいので、 \begin{align} \mathrm{{\widehat{RR}}_{MH}}&=\frac{\sum_{k}\frac{A_k \cdot m_k}{N_k}}{\sum_{k}\frac{B_k \cdot n_k}{N_k}}\\ &=\frac{\sum_{k}\frac{A_k \cdot 1}{2}}{\sum_{k}\frac{B_k \cdot 1}{2}}\\ &=\frac{\frac{1}{2}\sum_{k} A_k}{\frac{1}{2}\sum_{k} B_k}\\ &=\frac{442+2632}{442+662}\\ &=\frac{442+2632}{442+662}\\ &=2.78 \end{align} 同様に、マンテル・ヘンツェルオッズ比の推定量を求めると、分子は $ \left(A_k,D_k\right)= \left(1,1\right)$ の場合のみ、分母は $ \left(B_k,C_k\right)= \left(1,1\right)$ の場合のみを考えればよいので、 \begin{align} \mathrm{{\widehat{OR}}_{MH}}&=\frac{\sum_{k}\frac{A_k \cdot D_k}{N_k}}{\sum_{k}\frac{B_k \cdot C_k}{N_k}}\\ &=\frac{\sum_{k}\frac{A_k \cdot D_k}{2}}{\sum_{k}\frac{B_k \cdot C_k}{2}}\\ &=\frac{\frac{1}{2}\sum_{k}{A_k \cdot D_k}}{\frac{1}{2}\sum_{k}{B_k \cdot C_k}}\\ &=\frac{2632}{662}\\ &=3.98 \end{align} $\blacksquare$

〔4〕周辺解析と層別解析に関する考察

運転者群と同乗者群の交通事故の状況の分布は同じであるので、交絡バイアスは存在しない。リスク比は層間で共通の場合は集団全体のリスク比に一致するが、オッズ比は層間で共通であっても一般に集団全体のオッズ比に一致しない。 $\blacksquare$

〔5〕対象者の限定

〔2〕と同様に、表3のデータを用いて死亡リスク比を求めると、同乗者の運転者に対する死亡リスク比は、 \begin{align} \mathrm{RR}&=\frac{5596+11825}{5596+11721}\\ &\cong1.00 \end{align} すなわち、座席の位置によって死亡リスクは変わらないということが分かる。このことと、「シートベルトを着用していない方が着用している場合に比べて相対リスクが高い」ということを合わせて考えると、「シートベルトを着用することには救命効果がある」と推測できる。 $\blacksquare$

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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