本稿では、いわゆる「独立性の検定」として知られるピアソンのカイ2乗検定の統計検定量の公式の導出を行っています。実用上は最終的な結果に値を代入することになりますが、公式を導出する際の計算に躓くことがあるので、ぜひご一読ください。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。 - 漸近的な性質を用いる際は、①中心極限定理が成り立つ、②漸近分散を推定する際に、母数をその一致推定量で置き換えることができるということが成り立つと仮定しています。
【定理】ピアソンのカイ2乗検定(独立性の検定)
【定理】
ピアソンの
Pearson's chi-square test
マッチングなしのコホート研究(四項分布モデル)において、
帰無仮説
「曝露と発症は統計的に独立である」
を検定するための
導出:独立性の定義にもとづく方法
分割表について四項分布モデルを仮定すると、独立性の定義
参考文献
- 小寺 平治 著. 数理統計:明解演習. 共立出版, 1986, p.113, p.178
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.40-41
- Pearson, K.. On the criterion that a given system of deviations from the probable in the case of a correlated system of variables is such that it can be reasonably supposed to have arisen from random sampling. Philosophical Magazine. 1900, 50, p.157-175.
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