本稿は、ジョン・ラチン(2020)『医薬データのための統計解析』の「問題5.4」の自作解答例です。マッチング・コホート研究に対する正確検定に関する問題です。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合($n_0,\pi_0$ など)や「2」である場合($n_2,\pi_2$ など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。
- 著作権の関係上、問題文は、掲載しておりません。上述の参考書をお持ちの方は、お手元にご用意してご覧ください。
- この解答例は、筆者が自作したものであり、公式なものではありません。あくまでも参考としてご覧いただければ幸いです。
問題5.4.1:正確検定の実施
マッチングペアに関する関連性の検定を行う場合、以下の帰無仮説と対立仮説となる。 \begin{gather} H_0:\pi_{12}=\pi_{21} \quad H_1:\pi_{12} \neq \pi_{21} \end{gather} 不一致応答の総数は、 \begin{gather} M=3+7=10 \end{gather} 両側の正確な $\mathrm{p}$値は、 \begin{align} \mathrm{p}&=2 \cdot {0.5}^{10} \left({}_{10}C_0+{}_{10}C_1+{}_{10}C_2+{}_{10}C_3\right)\\ &=2 \cdot {0.5}^{10} \left(1+10+45+120\right)\\ &=0.344 \end{align} $\blacksquare$
問題5.4.2:検定の実施(正確検定)
条件付きオッズ比の推定公式 ${\mathrm{\widehat{OR}}}_C=\frac{f}{g}$ より、 \begin{gather} {\mathrm{\widehat{OR}}}_C=\frac{3}{7}=0.429 \end{gather} 95%信頼区間については、計算ソフトを必要とするので割愛。 $\blacksquare$
参考文献
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.258-259
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.226-231
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