本稿では、同次ポアソン回帰モデルについて解説しています。このモデルは、①任意の経過時間におけるイベントの平均発生回数がポアソン分布に従う、②時間の経過とともに平均発生率は変化しない、③各被験者のイベント発生率が共変量の関数として表されるなどが仮定されるモデルです。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
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- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。 - 漸近的な性質を用いる際は、①中心極限定理が成り立つ、②漸近分散を推定する際に、母数をその一致推定量で置き換えることができるということが成り立つと仮定しています。
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同次ポアソン回帰モデル
集計化された標本に対して過分散が起こる別のメカニズムとして、母集団が、異なる強度、または、リスクに関連する異なる共変量の値によって特徴付けられた部分母集団の混合から構成されている場合である。したがって、母集団は、本質的により高いリスクを有する被験者と低いリスクを有する被験者との混合という意味で、異なる共変量値をもった被験者の混合母集団となる。このようなリスクの変動を説明する1つの方法は、条件付き期待値(強度)を共変量の関数としてモデル化するポアソン回帰 Poisson regression モデルを考えることである
各患者(
このとき、モデルは
したがって、尤度は、以下のようにポアソン確率の積として
観測情報行列と期待情報行列は、
単純な二値共変量のみの場合の例
共変量があるリスクファクターへの曝露・非曝露のみの同次ポアソン回帰モデル
帰無仮説のもとでの最尤推定量
〔1〕対立仮説
曝露群・非曝露群の強度はそれぞれ、
帰無仮説
帰無仮説のもとでの期待情報量
このとき、期待情報行列の各成分の推定量は、
有効スコア検定
有効スコア検定の検定統計量は、
参考文献
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.424-425
引用文献
- Frome, E.L.. The analysis of rates using Poisson regression models. Biometrics. 1983, 39(3), p.665-674, doi: 10.2307/2531094
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