本稿では、生存時間の差の検定としてログランク検定を行う優越性試験のサンプルサイズ設計の公式行っています。本稿の方法は、生存時間の分布に指数分布モデルを仮定した方法であり、現実的にはこの仮定は必ずしも満たされるわけではありませんが、最も簡単に導出できる方法としてよく使用されています。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。 - 漸近的な性質を用いる際は、①中心極限定理が成り立つ、②漸近分散を推定する際に、母数をその一致推定量で置き換えることができるということが成り立つと仮定しています。
【公式】生存時間の差に関する優越性試験のサンプルサイズ設計の公式
【公式】
生存時間の差に関する優越性試験のサンプルサイズ設計の公式
Sample Size Determination for Log-Rank Test
生存時間に関するコホート研究について、
生存時間の分布に指数分布モデル
各群のサンプルサイズを
介入群と非介入群のハザード
導出
生存時間分布の指数分布モデルとイベント発生回数の二重同次ポアソンモデルの同等性から、生存時間におけるハザードを平均発生率と同じであると仮定する。
このとき、母集団の平均発生率の差と標本平均発生率の差をそれぞれ
参考文献
- 山口 拓洋 著. サンプルサイズの設計 後悔先に立たず. 健康医療評価研究機構, 2010, p.79-82
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.520-524
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