本稿は、ジョン・ラチン(2020)『医薬データのための統計解析』の「問題2.3」の自作解答例です。イベントが観測されなかったときの母比率の信頼区間に関する問題です。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。 - 漸近的な性質を用いる際は、①中心極限定理が成り立つ、②漸近分散を推定する際に、母数をその一致推定量で置き換えることができるということが成り立つと仮定しています。
- デルタ法を用いる際、剰余項(2次の項)が漸近的に無視できる(
に確率収束する)と仮定しています。 - 上述の参考書では、標準正規分布の上側
点を と表記していますが、本サイトでは、 としています。そのため、参考書に載っている式の形式と異なる部分があります。 - 著作権の関係上、問題文は、掲載しておりません。上述の参考書をお持ちの方は、お手元にご用意してご覧ください。
- この解答例は、筆者が自作したものであり、公式なものではありません。あくまでも参考としてご覧いただければ幸いです。
目次[非表示]
問題2.3.1:信頼区間の導出
確率変数
問題2.3.2:サンプルサイズの公式の導出
上側信頼限界の算出式において、両辺の自然対数を取ると、
問題2.3.3:薬剤の安全性に関する考察
仮に本問の薬剤が十万人に投与されるとすると、年間では、最大、
問題2.3.4:上側信頼限界の定義・意味
上側80%信頼限界とは、80%信頼区間を構成する値の上限値のことである。この例のように、未知の母数
問題2.3.5:サンプルサイズ設計の例題
サンプルサイズ設計の公式に、
参考文献
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.19-20, p.80
- Louis, T.A.. Confidence Intervals for a Binomial Parameter after Observing No Successes. The American Statistician. 1981;35(3):154-154, doi: 10.1080/00031305.1981.10479337
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