ジョン・ラチン(2020)『医薬データのための統計解析』 問題2.4 解答例

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【2022年10月1週】 【A000】生物統計学 【A051】コホート研究

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本稿は、ジョン・ラチン(2020)『医薬データのための統計解析』の「問題2.4」の自作解答例です。相対リスクとオッズ比の関係に関する問題です。

なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
  • 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(n0,π0 など)や「2」である場合(n2,π2 など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。
  • 著作権の関係上、問題文は、掲載しておりません。上述の参考書をお持ちの方は、お手元にご用意してご覧ください。
  • この解答例は、筆者が自作したものであり、公式なものではありません。あくまでも参考としてご覧いただければ幸いです。

問題2.4.1:オッズ比と各群の発症割合の関係

OR=π11π11π2π2 これを π1 について解くと、 ORπ21π2=π11π1ORπ21π2=π1+ORπ21π2π1ORπ21π2=(1+ORπ21π2)π1 π1=1π2(1π2)+ORπ2ORπ21π2=ORπ2(1π2)+ORπ2

問題2.4.2:リスク比とオッズ比の関係

リスク比の定義 RR^=an2bn1 とオッズ比の定義 OR^=adbc より、 OR^(1+bd1+ac)=adbc(b+dda+cc)=adbcn2dcn1=an2bn1=RR^

問題2.4.3:希少疾患の仮定の下でのオッズ比によるリスク比の近似

発症が稀なアウトカムの場合 m1N0、発症者数は、発症していない人の数よりも圧倒的に小さいと考えられる m1m20 ので、 bd=m1π2m2(1π2)=m1m2π21π20ac=m1π1m2(1π1)=m1m2π11π10 よって、 1+bd11+ac1 (2)の結果より、 OR^RR^

参考文献

  • ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.80-81

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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