本稿では、診断検査の性能評価の研究デザインについて、その分割表の形式、統計モデル、診断検査の性能に関する指標の定義をまとめています。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。
目次[非表示]
分割表の形式
有病者と非有病者の観察対象人数をそれぞれ、
陽性 | 陰性 | 合計 | |
---|---|---|---|
疾病あり | |||
疾病なし | |||
合計 |
統計モデル
積二項モデル(感度・特異度を考える場合)
考え方
感度・特異度を調べる場合、まず診断のゴールド・スタンダートを適用し、参加者を発症群と非発症群に分け、その後、問題としている検査を適用する。このとき、発症群の行き先は、「疾病あり・陽性」か「疾病あり・陰性」のどちらか、非発症群の行き先は、「疾病なし・陽性」か「疾病なし・陰性」のどちらかしかないので、それぞれが互いに独立な二項分布に従うと考えられる。
発症群と非発症群の陽性人数
陽性 | 陰性 | 合計 | |
---|---|---|---|
疾病あり | |||
疾病なし |
積二項尤度
四項分布モデル(陽性的中度・陰性的中度を考える場合)
考え方
陽性的中度・陰性的中度を調べる場合、参加者全員に問題としている検査を適用し、その後、診断のゴールド・スタンダートを適用して発症状況を調べる。このとき、検査を適用された時点では、それぞれの参加者の行き先は、「疾病あり・陽性」、「疾病あり・陰性」、「疾病なし・陽性」、「疾病なし・陰性」の4通りすべてが可能性としてあり得る。したがって、四項分布に従うと考えられる。
各セルの観測値
陽性 | 陰性 | 合計 | |
---|---|---|---|
疾病あり | |||
疾病なし | |||
合計 |
四項尤度
診断検査の性能に関する指標
感度
特異度
陽性的中度
陰性的中度
偽陽性率
偽陰性率
陽性尤度比
陰性尤度比
有病率
正診率
参考文献
- スティーブン・ハリー, スティーブン・カミングス ほか 著, 木原 雅子, 木原 正博 訳. 医学的研究のデザイン:研究の質を高める疫学的アプローチ. 第4版, メディカル・サイエンス・インターナショナル, 2014, p.205
- 丹後 俊郎, 松井 茂之 編集. 医学統計学ハンドブック. 朝倉書店, 2018, p.657
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