本稿は、ジョン・ラチン(2020)『医薬データのための統計解析』の「問題2.7」の自作解答例です。Thomas-Gartの方法にもとづく母比率の信頼区間に関する問題です。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
- 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(
など)や「2」である場合( など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。 - 著作権の関係上、問題文は、掲載しておりません。上述の参考書をお持ちの方は、お手元にご用意してご覧ください。
- この解答例は、筆者が自作したものであり、公式なものではありません。あくまでも参考としてご覧いただければ幸いです。
目次[非表示]
問題2.7.1:オッズ比の期待値
二項分布の期待値の公式より、各群の発症者数
問題2.7.2:2次方程式の導出
先ほどの式を
問題2.7.3:群1の発症確率
2次方程式の解の公式
問題2.7.4:群2の発症確率
式
(i)リスク差の正確な上下信頼限界
問題2.7.5:例題
得られた公式に各値を代入すると、下側限界は、
したがって、
同様に、上側限界は、
したがって、
まとめると、
参考文献
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.83
- ジョン・ラチン 著, 宮岡 悦良 監訳, 遠藤 輝, 黒沢 健, 下川 朝有, 寒水 孝司 訳. 医薬データのための統計解析. 共立出版, 2020, p.33-34
- Thomas, D.G. & Gart, J.J.. A Table of Exact Confidence Limits for Differences and Ratios of Two Proportions and Their Odds Ratios. Journal of the American Statistical Association. 1977;72(357):73-76, doi: https://doi.org/10.2307/2286908
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