標本平均の差の漸近分布

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【2022年10月4週】 【A000】生物統計学 【A053】介入研究(臨床試験) 【A071】標本分布

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本稿では、連続値データの標本平均の漸近分布の導出を行っています。母集団の分布が正規分布でなくとも、サンプルサイズが十分に大きければ、中心極限定理により標本平均の分布は正規分布になるという事実は、統計学的推定や検定を考えるうえで非常に重要です。

なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
  • 曝露(発症)状況を表す右下の添え字は、「0」である場合(n0,π0 など)や「2」である場合(n2,π2 など)がありますが、どちらも「非曝露群(コントロール群)」を表しています。
  • 漸近的な性質を用いる際は、①中心極限定理が成り立つ、②漸近分散を推定する際に、母数をその一致推定量で置き換えることができるということが成り立つと仮定しています。

【定理】標本平均の差の漸近分布

【定理】
標本平均の差の漸近分布
Asymptotic Distribution of Sample Mean Difference

対応のない連続値データに関するコホート研究・介入研究について、
帰無仮説と対立仮説をそれぞれ H0:μX=μYH1:μXμY とするとき、 標本平均の差の漸近分布は、
〔1〕対立仮説 H1:X¯Y¯dN(μXμY,σX2n+σY2m) 〔2〕帰無仮説 H0:X¯Y¯dN(0,σX2n+σY2m) 各群の標本不偏分散がそれぞれの母分散の一致推定量とみなすことができる、すなわち、 sX2=σX2sY2=σY2 とするとき、 両仮説における標本平均の差の漸近分散の一致推定量は、 σ^12=σ^02=sX2n+sY2m

導出

導出

中心極限定理より、標本平均の漸近分布は、 X¯dN(μX,σX2n)Y¯dN(μY,σY2m) 正規分布の再生性より、 X¯Y¯dN(μXμY,σX2n+σY2m) 帰無仮説の下では、 X¯Y¯dN(0,σX2n+σY2m) 各群の標本不偏分散がそれぞれの母分散の一致推定量とみなすことができるとき、両仮説における標本平均の差の漸近分散の一致推定量は、 σ^12=σ^02=sX2n+sY2m

参考文献

  • 野田 一雄, 宮岡 悦良 著. 入門・演習数理統計. 共立出版, 1990, p.243

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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