本稿では、クラメール・ラオの不等式を証明しています。
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【定理】クラメール・ラオの不等式
【定理】
クラメール・ラオの不等式
Cramer-Rao’s Inequality
任意の確率分布 からの大きさ の無作為標本を
その標本値を
とする。
この分布の同時確率(密度)関数
が正則条件①~③を満たすなら、
パラメータ の関数 の不偏推定量
の分散の下限は、
となる。
特に、 のとき、「フィッシャー情報量の 倍の逆数以下の値」しか取り得ない、すなわち、
が成り立つ。
これをクラメール・ラオの不等式といい、左辺をクラメール・ラオの下限という。
証明
証明
まず、スコア関数と の不偏推定量をそれぞれ、
とする。
期待値の定義式より、
また、スコア関数と不偏推定量の積の期待値を求めると、
正則条件 より、
式 より、
共分散の公式 より、
スコア関数の性質 より、
式 より、
共分散の定義式より、
スコア関数の性質 より、
コーシー・シュワルツの不等式 より、
分散の定義式 より、
フィッシャー情報量の定義式 より、
式 より、
等号はコーシー・シュワルツの不等式において等号が成り立つとき、すなわち、
を満たす が存在するときに成り立つ。
参考文献
- 野田 一雄, 宮岡 悦良 著. 入門・演習数理統計. 共立出版, 1990, p.217-218
- 久保川 達也 著, 新井 仁之, 小林 俊行, 斎藤 毅, 吉田 朋広 編. 現代数理統計学の基礎. 共立出版, 2017, p.131
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