十分統計量、最小十分統計量、完備十分統計量の定義やフィッシャー・ネイマンの因子分解定理の紹介が含まれます。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
十分統計量
母集団からの標本 に対して、ある統計量 を与えた下での標本 の条件付確率分布が、パラメータ に依存しない、すなわち、
が成り立つとき、
統計量 を、パラメータ に対する十分統計量 sufficient statistic という。
特に、十分統計量が
というように、
確率ベクトルであるとき、それを結合十分統計量 joint sufficient statistic という。
フィッシャー・ネイマンの因子分解定理
【定理】
フィッシャー・ネイマンの因子分解定理
Fisher–Neyman Factorization Theorem
統計量 がパラメータ に対する十分統計量であるための必要十分条件は、
の同時確率(密度)関数
が
に依存する部分( と の積で表される部分)と
そうでない部分( のみの関数になっている部分)
に分解でき、
に依存する部分は、 を通してのみ、 に依存する
すなわち、
と表されることである。
また、十分統計量の1-1対応の関数もまた十分統計量である。
最小十分統計量
十分統計量の関数がすべて十分統計量であるとは限らないが、十分統計量 が、 の形をしていれば、 の値がわかれば、 の値もわかるのであるから、 もまた十分統計量である。特に、ほかのすべての に関する十分統計量の関数となっている十分統計量を に関する最小十分統計量 minimal sufficient statistic という。これは、パラメータに関する情報を失うことなくデータを最小十分統計量より縮約できる統計量はないということを意味している。
完備十分統計量
十分統計量 の任意の関数 について、任意の に対して の期待値が0になるのは、
の場合にしかあり得ないとき、
は完備十分統計量 complete sufficient statistic であるという。
参考文献
- 野田 一雄, 宮岡 悦良 著. 入門・演習数理統計. 共立出版, 1990, p.198-202
- 竹村 彰通 著. 現代数理統計学. 創文社, 1991, p.103-119
- 久保川 達也 著, 新井 仁之, 小林 俊行, 斎藤 毅, 吉田 朋広 編. 現代数理統計学の基礎. 共立出版, 2017, p.116-119
関連記事
0 件のコメント:
コメントを投稿