本稿では、ベイズの定理を証明しています。ベイズ統計学の原点となる重要な定理ですが、証明自体は、条件付き確率の定義と確率の乗法定理からそのまま導かれるため非常に簡単です。
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【定理】ベイズの定理
【定理】
ベイズの定理
Bayes’ Theorem
事象 $A_1,A_2,A_3, \cdots $ が標本空間 $\Omega$ の分割であり、$0 \lt P \left(A_i\right)$ のとき、事象 $B$ に対して、$0 \lt P \left(B\right)$ ならば \begin{align} P \left(A_i\middle| B\right)=\frac{P \left(A_i\right) \cdot P \left(B\middle| A_i\right)}{\sum_{j=1}^{\infty}{P \left(A_j\right) \cdot P \left(B\middle| A_j\right)}} \end{align} が成り立つ。
証明
条件付き確率の定義 $P \left(A\middle| B\right)=\frac{P \left(A \cap B\right)}{P \left(B\right)}$ より、 \begin{align} P \left(A_i\middle| B\right)=\frac{P \left(A_i \cap B\right)}{P \left(B\right)} \end{align} 確率の乗法定理 $P \left(A_i \cap B\right)=P \left(A_i\right) \cdot P \left(B\middle| A_i\right)$ と全確率の定理 $P \left(B\right)=\sum_{i=1}^{\infty}{P \left(A_i\right) \cdot P \left(B\middle| A_i\right)}$ より、 \begin{align} P \left(A_i\middle| B\right)=\frac{P \left(A_i\right) \cdot P \left(B\middle| A_i\right)}{\sum_{j=1}^{\infty}{P \left(A_j\right) \cdot P \left(B\middle| A_j\right)}} \end{align} $\blacksquare$
参考文献
- 小寺 平治 著. 数理統計:明解演習. 共立出版, 1986, p.
- 久保川 達也 著, 新井 仁之, 小林 俊行, 斎藤 毅, 吉田 朋広 編. 現代数理統計学の基礎. 共立出版, 2017, p.5
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