正規分布のモーメント母関数の導出

公開日:

【2023年3月5週】 【B000】数理統計学 【B040】連続型の確率分布

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本稿では、定義に沿った方法で正規分布のモーメント母関数を導出しています。

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【公式】正規分布のモーメント母関数

【公式】
正規分布のモーメント母関数
Moment-Generating Function of Normal Distribution

正規分布 N(μ,σ2) のモーメント母関数 MX(θ) は、 MX(θ)=eμθ+12σ2θ2 で与えられる。 特に、標準正規分布 N(0,1) のモーメント母関数 MZ(θ) は、 MZ(θ)=e12θ2 で与えられる。

導出

導出

モーメント母関数の定義式 MX(θ)=eθxf(x)dx より、 MX(θ)=eθx12πσe(xμ)22σ2dx(1)=12πσe(xμ)22σ2θx2σ2dx 指数の分子を変形(平方完成)すると、 (xμ)22σ2θx=x22μx+μ22σ2θx=x22(μ+σ2θ)x+(μ+σ2θ)2(μ+σ2θ)2+μ2={x(μ+σ2θ)}22μσ2θσ4θ2 よって、 (xμ)22σ2θx2σ2={x(μ+σ2θ)}22σ2+(μθ+12σ2θ2) したがって、式 (1) は、 MX(θ)=12πσe{x(μ+σ2θ)}22σ2eμθ+12σ2θ2dx=eμθ+12σ2θ212πσe{x(μ+σ2θ)}22σ2dx ここで、右辺の積分部分は、正規分布 N(μ+σ2θ,σ2) の確率密度関数とみなすことができる。 したがって、確率密度関数の性質より、 12πσe{x(μ+σ2θ)}22σ2dx=1 よって、 MX(θ)=eμθ+12σ2θ2 標準正規分布 N(0,1) のモーメント母関数 MZ(θ) は、 μ=0σ2=1 を代入して、 MZ(θ)=e12θ2

参考文献

  • 野田 一雄, 宮岡 悦良 著. 入門・演習数理統計. 共立出版, 1990, p.127-128
  • 稲垣 宣生 著. 数理統計学. 裳華房, 2003, p.39
  • 黒木 学 著. 数理統計学:統計的推論の基礎. 共立出版, 2020, p.102

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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