離散型一様分布の確率母関数・モーメント母関数の導出

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【2023年3月3週】 【B000】数理統計学 【B030】離散型の確率分布

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本稿では、離散型一様分布の確率母関数・モーメント母関数を導出しています。離散型一様分布の場合、実用的には母関数を用いるよりも定義に沿って期待値や分散を求める方が簡単ではありますが、母関数は等比数列の和の公式を使って導出することができます。

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【定理】離散型一様分布の確率母関数・モーメント母関数

【定理】
離散型一様分布の確率母関数・モーメント母関数
PGF and MGF of Discrete Uniform Distribution

離散一様分布 $\mathrm{DU} \left(n\right)$ の確率母関数 $G_X \left(\theta\right)$ とモーメント母関数 $M_X \left(\theta\right)$ は、 \begin{gather} G_X \left(\theta\right)=\frac{\theta}{n} \cdot \frac{1-\theta^n}{1-\theta}\\ M_X \left(\theta\right)=\frac{e^\theta}{n} \cdot \frac{1-e^{n\theta}}{1-e^\theta} \end{gather} で与えられる。

導出

導出

(I)確率母関数
確率母関数の定義式 $G_X \left(\theta\right)=\sum_{x=0}^{\infty}{\theta^x \cdot f \left(x\right)}$ より、 \begin{align} G_X \left(\theta\right)&=\sum_{x=1}^{n}{\theta^x \cdot \frac{1}{n}}\\ &=\frac{1}{n}\sum_{x=1}^{n}\theta^x\\ &=\frac{1}{n} \left(\theta+\theta^2+ \cdots + \cdots \theta^n\right) \end{align} 等比数列の和の公式 $S_n=\frac{a_1 \left(1-r^n\right)}{1-r}$ より、$a_1=\theta,r=\theta$ とすると、 \begin{align} G_X \left(\theta\right)=\frac{\theta}{n} \cdot \frac{1-\theta^n}{1-\theta} \end{align} $\blacksquare$

(II)モーメント母関数
モーメント母関数の定義式 $M_X \left(\theta\right)=\sum_{x=-\infty}^{\infty}{e^{\theta x} \cdot f \left(x\right)}$ より、 \begin{align} M_X \left(\theta\right)&=\sum_{x=1}^{n}{e^{\theta x} \cdot \frac{1}{n}}\\ &=\frac{1}{n}\sum_{x=1}^{n}e^{\theta x}\\ &=\frac{1}{n} \left(e^\theta+e^{2\theta}+ \cdots e^{n\theta}\right) \end{align} 等比数列の和の公式 $S_n=\frac{a_1 \left(1-r^n\right)}{1-r}$ より、$a_1=e^\theta,r=e^\theta$ とすると、 \begin{align} M_X \left(\theta\right)=\frac{e^\theta}{n} \cdot \frac{ \left(1-e^{n\theta}\right)}{1-e^\theta} \end{align} $\blacksquare$

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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