本稿では、平方変換後の確率密度関数の公式を導出しています。
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【公式】平方変換後の確率密度関数
【公式】
平方変換後の確率密度関数
Probability Density Function after Square Transformation
連続型確率変数 $X$ の累積分布関数と確率密度関数をそれぞれ \begin{align} F \left(x\right) \quad f \left(x\right) \end{align} とし、 平方変換を \begin{gather} Y=X^2 \end{gather} とするとき、 確率変数 $Y$ の確率密度関数は、 \begin{align} g \left(y\right)=\frac{1}{2\sqrt y} \left\{f \left(\sqrt y\right)+f \left(-\sqrt y\right)\right\} \end{align} で与えられる。
導出
確率変数 $Y$ の累積分布関数を $G \left(y\right)$ とすると、累積分布関数の定義式 $F \left(x\right)=P \left(X \le x\right)$ より、 \begin{align} G \left(y\right)&=P \left(Y \le y\right)\\ &=P \left(X^2 \le y\right)\\ &=P \left(-\sqrt y \le X \le \sqrt y\right) \end{align} 累積分布関数の定義式 $G \left(x\right)=P \left(X \le x\right)$ より、 \begin{align} G \left(y\right)=F \left(\sqrt y\right)-F \left(-\sqrt y\right) \end{align} 確率密度関数を $g \left(y\right)$ とすると、累積分布関数と確率密度関数との関係 $f \left(x\right)=\frac{d}{dx}F \left(x\right)$ より、 \begin{align} g \left(y\right)&=\frac{d}{dy}G \left(y\right)\\ &=\frac{d}{dy} \left\{F \left(\sqrt y\right)-F \left(-\sqrt y\right)\right\}\\ &=f \left(\sqrt y\right) \cdot \frac{1}{2\sqrt y}-f \left(-\sqrt y\right) \cdot \left(-\frac{1}{2\sqrt y}\right)\\ &=\frac{1}{2\sqrt y} \left\{f \left(\sqrt y\right)+f \left(-\sqrt y\right)\right\} \end{align} $\blacksquare$
参考文献
- 久保川 達也 著, 新井 仁之, 小林 俊行, 斎藤 毅, 吉田 朋広 編. 現代数理統計学の基礎. 共立出版, 2017, p.25
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