連続一様分布の平方変換

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【2023年3月4週】 【B000】数理統計学 【B040】連続型の確率分布

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本稿では、連続一様分布を平方変換したときの確率密度関数、累積分布関数、期待値・分散を導出しています。東京大学教養学部統計学教室(1991)『基礎統計学 1 統計学入門』 練習問題5.6の解答としてご覧いただけます。

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【命題】連続一様分布の平方変換

【定理・命題・公式】
連続一様分布の平方変換
Square Conversion of Continuous Uniform Distribution

確率変数 X が一様分布 U(0,1) に従うとき、 平方変換した確率変数 Y=X2 の確率密度関数、累積分布関数、期待値、分散は、 f(x)={12y0y10otherF(x)={0y<0y0y111<yE(Y)=13V(Y)=445 で与えられる。

導出:確率密度関数と累積分布関数

導出

連続一様分布の確率密度関数と累積分布関数は、 f(x)={10x10otherF(x)={0x<0x0x111<x 確率変数 Y の取り得る値の範囲は、 0x10y1 確率変数 Y の累積分布関数を G(y) とすると、累積分布関数の定義式 F(x)=P(Xx) より、 G(y)=P(Yy)=P(X2y)=P(yXy) X の取り得る値の範囲は、0x1 だから、 G(y)=P(0Xy) 累積分布関数の定義式 G(x)=P(Xx) より、確率変数 X の累積分布関数を F(x) とすると、 G(y)=F(y)F(0)=y 確率密度関数を g(y) とすると、累積分布関数と確率密度関数との関係式 f(x)=ddxF(x) より、 g(y)=ddyy=12y

導出:期待値と分散

導出

(a)期待値
期待値の定義式 E(X)=xf(x)dx より、 E(Y)=01yfY(y)dy=01y12ydy=1201ydy=12[23y32]01=1223(10)=13

(b)分散
2乗の期待値の定義式 E(X2)=x2f(x)dx より、 E(Y2)=01y212ydy=1201y32dy=12[25y52]01=1225(10)=15 分散の公式 V(X)=E(X2){E(X)}2 より、 V(Y)=1519=445

参考文献

  • 東京大学教養学部統計学教室 編. 基礎統計学 1 統計学入門. 東京大学出版会, 1991, p.107 練習問題5.6

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大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

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