幾何分布の確率母関数・モーメント母関数の導出

公開日:

【2023年3月4週】 【B000】数理統計学 【B030】離散型の確率分布

この記事をシェアする
  • B!
サムネイル画像

本稿では、定義に沿った方法で幾何分布の確率母関数・モーメント母関数を導出しています。いずれの場合も等比数列の和の公式を使います。その際、収束条件に注意が必要となります。

なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。

  • スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、数式が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。

【定理】幾何分布の確率母関数・モーメント母関数

【定理】
幾何分布の確率母関数・モーメント母関数
PGF and MGF of Geometric Distribution

幾何分布 G(p) の確率母関数 GX(θ) とモーメント母関数 MX(θ) は、 GX(θ)=p1θ(1p)θ<11pMX(θ)=p1eθ(1p)θ<log11p で与えられる。

導出

導出

(i)確率母関数
確率母関数の定義式 GX(θ)=x=0θxf(x) より、 GX(θ)=x=0θx(1p)xp=px=0{θ(1p)}x 等比数列の和の公式 k=0nrk=1rn1r より、 GX(θ)=plimn1{θ(1p)}n1θ(1p) 確率母関数が存在する GX(θ)< ためには、 θ(1p)<1θ<11p このとき、 GX(θ)=p1θ(1p)

(ii)モーメント母関数
モーメント母関数の定義式 MX(θ)=x=eθxf(x) より、 MX(θ)=x=0eθx(1p)xp=px=0{eθ(1p)}x 等比数列の和の公式 k=0nrk=1rn1r より、 GX(θ)=plimn1{eθ(1p)}n1eθ(1p) 確率母関数が存在する GX(θ)< ためには、 eθ(1p)<1eθ<11pθ<log11p このとき、 MX(θ)=p1eθ(1p)

参考文献

  • 野田 一雄, 宮岡 悦良 著. 入門・演習数理統計. 共立出版, 1990, p.119
  • 稲垣 宣生 著. 数理統計学. 裳華房, 2003, p.33

関連記事

自己紹介

自分の写真

yama

大学時代に読書の面白さに気づいて以来、読書や勉強を通じて、興味をもったことや新しいことを学ぶことが生きる原動力。そんな人間が、その時々に学んだことを備忘録兼人生の軌跡として記録しているブログです。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

QooQ